吸血鬼の恋愛観
もし、あなたの身近に吸血鬼がいるのなら、同じようなことを考えているかもしれませんね。
吸血鬼ってなんで人間と恋愛できないと言われてるんだろうね。
価値感の違い?寿命の違い?
まぁ、とってつけたような理由は色々あるよね。
でも一番の理由はさ……
吸血鬼が人間を餌としか見てない事……なんだよね。
稀に吸血鬼が人間に恋をすることはあるけど、そんなのは億万が一ってやつさ。
大抵の吸血鬼は人間を餌としか見てない、それが吸血鬼と人間が恋愛をしない理由さ。
例えば魚。
大型の魚は自分より小さい魚を食べるだろう?
それと同じさ。
外見が例え同じだったとしても………餌としか見えないんだ。
だから魚は共食いをする。
分かるかい?つまり…吸血鬼も共食いをするんだよ。
最近じゃ人間の文明がとても発達してきてるからね。
夜間でも明るかったり、襲おうとしたら機械というやつを使って防いで来たり……
まったく、吸血鬼としては遺憾なことばかりだよ。
あぁ、少し話が逸れたね、話しを戻そうか。
そういや、吸血鬼が人間に恋をしない理由は言ったけど、人間が吸血鬼に恋をしない理由は言ってないよね。
まぁ、こちらも簡単な話さ。
これも魚に例えて話そうか……
例えば提灯鮟鱇。
あいつらは自分の目の前に光を出すことによって、それに釣られた魚を食べるやつらだ。
それと同じで吸血鬼は、人間にとって理想の容姿と、人間が惚れやすくなるフェロモンを出すんだ。
餌が無警戒でよってくるように……という理由で素晴らしい容姿があり、
餌がたくさんよってくるように……という理由でフェロモンがある。
つまり、人間は吸血鬼に恋をしているんじゃないのさ。
吸血鬼が人間に恋をしていると錯覚させているのさ。
それと性別の問題もあるね。
今さっき言っただろう?
人間にとって理想の容姿って………つまり、男女共に理想の容姿であるわけだ。
雄の人間から見れば、理想の女の子、
雌の人間から見れば、理想の男の子。
そういう風に見えるわけだ。
元々、吸血鬼に性別なんてないってことさ。
ただ、生きるために必要だったから、それなりの容姿がある……それだけだ。
それで……ここまで話したわけだけど、君はなんでボクに執着するの?
君はボクに告白してきたわけだけど、それは無理だってことも言った。
ボクの正体も話した。
吸血鬼が人間と恋できない、いや、恋をしない理由も話した。
なのになんで君はボクをまだ見つめてくるの?
……えっ?まだボクのことが好きだっていうの?
なんで?ねぇ……なんでなの?
ボクは今まで、君達人間をたくさん殺した……食べたんだよ?
なのにさ……なのになんで君はその優しげな瞳で見つめてくるの?
なんでだろ……さっきから涙が止まらないや……。
本当に君はボクを悩ませる……。
この気持ちをどうすればいいの?
わからない……わからないよ!
こんな気持ちは初めてなんだ!
ボクは…ボクは…
吸血鬼なんだよ!?
これは様々な解釈ができるように書きました。
例えば、恋愛を知らない吸血鬼・・・とか
恋愛ができない吸血鬼だと思い込んでるただの人間・・・とか
色々想像すれば、たくさんの道が見えてきますよね。