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『生きてるだけでお腹が減るから、いただきます』 ──異常と孤独と、生存の話。  作者: koni


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第16話 聞こえすぎて、見えすぎて、怖かった

こんにちわんこっ

しばらくは毎日投稿していきますよん。

毎日17時と21時とあと0時の三話投稿予定でいきまっす!!

予定はあくまで予定なので。。。。。

奥へ進むたび、世界が“近すぎる”と感じるようになった。


 蓬の耳は、遠くの水滴の音まで拾ってしまう。

 視界の端では小さな虫の羽ばたきまで見える気がする。


 すべてが鮮明で、騒がしい。


 (ちょっと、うるさい……)


 目を細めて、両手で耳をふさいでも無駄だった。

 音は、骨を通して伝わってくる。


 「……疲れるな、これ」


 力が増したはずなのに、気づけば息が浅くなっていた。


 感覚が鋭くなりすぎて、情報が多すぎる。


 集中できない。足元もおぼつかない。


 ――その時だった。


 ズシャッ!


 鈍い音。次の瞬間、視界の端に何かが閃いた。


 「――っ!」


 地面に転がりながら、とっさに身体を丸める。


 石片が頬をかすめ、熱い線が走った。


 すぐそこにいた。


 細く、長い体。足が多い。

 甲殻に覆われたムカデのようなモンスターが、蓬を狙っていた。


 (いつ、いた!?)


 分からなかった。

 “見えるはず”だったのに、“感じるはず”だったのに――


 恐怖が、脳を冷やした。


 自分が“万能ではない”と知った瞬間だった。


 五感は強化された。

 けれど、それが逆に“ノイズ”になることもある。


 ホールに入って数時間程度の間で、初めての失敗だった。


 ――でも。


 蓬は、動いた。


 音に耳を澄ませるのをやめ、呼吸を整える。


 感じるのではなく、“見る”ことに集中する。


 その瞬間、ムカデの足の動きが“読めた”。


 跳ねるように石を蹴って後退し、手に持った石片を投げつける。


 直撃ではない。それでも、一瞬のスキを生んだ。


 蓬は、転がるように逃げ出した。


 逃げながら、喉の奥で呟く。


 「……まだ、わたしは、強くない」


 それが、蓬が“人間”として自覚した、ほんの少しの弱さだった。

みなさまさまの応援が励みになるはず(たぶん)ですのでぜひともおひまなそこのあなたは評価してやってください!

あっちょっと素通り厳禁なんですよっ!!

こまっちゃうんだからー

ん?ちゃんと評価しようとしてくれてたよね?(圧)

広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして、

【★★★★★】にするんだヨ☆

仕方ないから【★★★★☆】まで可((笑))


次の話も見ちゃってくだせいっ!

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