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寵霊

眠れない夜が二回過ぎ去った。

その間の仕事は尋常ではなく眠く、一人終わった後にはその前の一人の内容はすべて忘れていた。

その状態で異常なまでに多かった数の生徒教師を相手に商売をしていたのだから、誰かに褒めてもらいたかったよ。

思い返しながら8:50。

正装と呼べるものは真似て作った制服だけで、そのうえ式典の礼儀は知り得てもいない。

こんな者が参加しても良いのかとネガティブになりつつも、制服を着て運動場へ向かう。

運動場には生徒が全員集まっていた。その情景は圧巻で、一人が少し乱れようが気付けないほどの人数だった。遅れて来たように見えるはずの私をそこにいる誰もが気にせず、兵隊のように並んでいる。

朝礼台の方向を見れば、そこに立つ校長がマイクを調整している。マイクに入らないように軽い咳ばらいをしてから一歩出て話す。

「皆さま、おはようございます。この度は生徒数名による凶悪犯捕縛の感謝を警察の御方からいただいたため、知らせたく朝礼を開きました。しかしながら凶悪犯捕縛の功労者である彼らは感謝状の受け取りを拒否し、口をそろえて"あの人"に渡してくださいと述べました。そしてその方に本日来ていただいています。魔法指南者カシドリさん、どうぞ朝礼台の前にお越しください。」

日置校長に私の名が呼ばれる。私は期待80:不安20の精神で言われた通り動いた。当然のことながら朝礼台から降りた校長は私の目と鼻の先にいる。

(身長、たっか…。)

心臓が高鳴る。

そんな私とは対称に校長は無表情で言った。

「魔法指南者、カシドリ」(「ちょっと待った!」)

いきなり声が響いた。その声は生徒達にも聞こえていたようで、私が来ただけでは揺らがなかった隊列が今は幼稚園児の列のようにぐちゃぐちゃで、ざわつきも収まらない。

それに声はあろうことか私よりも上から聞こえた。恐る恐るでそちらを見ると、巨大な推定40代の女性が雲の上からこちらを覘いている。

生徒たちが悲鳴を上げている中、その声の主は話した。

「驚かないで聞いてねぇ?吾はベルフェゴール、ここの神だよ?君たちも知っているでしょおぉ?言いたいことはこれじゃないのよねぇ。日置寿郎、あなたが呼ぶべき名前は、カシドリでも掛須でもないでしょ??ちゃんと呼びなさいよ。いいやぁ、。ちゃんと呼べよ。それでなきゃ面白くないじゃない?あなたが思っている名で読んであげなきゃ?さぁ、さぁ。さぁ。」

(圧力をかけたいのか諭したいのか全く分からない女だな。)

私はそう思った。

読んでいただきありがとうございます!!!

ハッピーエンドにするかバッドエンドにするかは完全にまだ悩んでいますが、

些細なこと、かもですね。


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