May be so 迷走
丹林が初めて来店してから1カ月が過ぎようとしていた。あれからというもの、何の因果か客数は増え魔法所持者もこの学校の2割にも届き得る範囲だ。
これだけの期間がありつつも、私の"いつぞやの記憶"、ごちゃまぜの感情だったもの。その全容はわからない。
その一方で丹林との心の距離は近づいてきており、向こうからは親友と思われているようだ。その証拠にかしこまっている敬語は消え、当たり前のようにタメ口だ。
今日も23人分の魔法付与と代金を終えて丹林を待つ。
私はそわそわとケーキを選びながら店の前を覘く。十数分して丹林が来た。彼は私に来たことを示すように手を振った。私はそれに応えて店のドアを見えるようにし、入室を待った。
彼は店に入り、椅子に座る前に言う。
「そーいや聞きたいことあってさ、掛須って何歳?」
私は頭にある情報だけで話した。
「11…いや、生まれ年が1982だから…えっと…43?」
それを聞き、丹林は椅子に座り、ケーキをフォークで切り取り口に入れ、飲み込む。そしてまるで話を今やっと思い出したかのような暢気さで「結構いってんね。」と軽く言った。
年配扱いにムッとする私を見てからもう一つ言った。
「なんなら俺の父さんと同じ年だな。」
私に柔和な気持ちが流れ込む。そこには動悸はなく、純な優しさだけが私を包み込んだ。
その感情に浸って、私がぼーっとしている間に彼は私の前にあるケーキを食べた。
そのまま「ごちそうさま」と言って店を去った。それに気づいたのは2分後だった。
私は些細なことだと流し、魔法の店への熱意がより高まった。
店を閉じる18:00にはまだ届かず暇な現在の時間は17:12。運動場からはなぜだか歓声があがっている。
私がとった行動は、『気になるから見に行く』。それは好奇心による不耐の末であった。
私は制服に変装し、運動場へ向かう。その道中は校内と思えないほど暗く、私が既に死んでいなければ恐怖に駆られ、動けなかっただろう。運動場の前までたどり着き、周りよりも低い場所に運動場を見下ろす。そこには水の球を出す魔法を持った生徒と、火の球を出す魔法を持った生徒が勝負をしているのが見えた。そのうえ大勢がそれを取り囲み観戦している。傍には治癒の魔法を渡した子が待機している。
つまり安全面は大丈夫だと見える。これを止めろというのは野暮なものだと思わせるような熱気と配慮に私は折れ、そして興味が湧き参加を志願しに行った。
烏は外敵を察知したように大きな声で鳴いている。
読んでいただきありがとうございます!!!!!
気付いてしまった。なんか変な方向に行っている。
これを迷走というのだろう。本筋は魔法売りだと理解しているつもりなのですぐに戻ります。
たぶん次の次ぐらい。それに渋滞しまくっている気がする。この回。かなり重症ですね




