学校の噂
一週間前、魔法をもらえるという噂がこの古石の学び舎に蔓延した。
その噂で持ち切りの学校に鉛筆から水の球を出した中学生が現れた。その男の子は店の場所、時間、店の雰囲気、それらを友達に言うと、彼,彼女らは駆け始め、その場所へと向かった。
しかしそこにあったのは階段の下の空間で、おかしなところはなく、男の子が言った店もなかった。
校内の生徒は男の子が質問攻めにあうことは間違いないだろう、そう思っていたが特に言及はされなかったようだ。
そして、この一件以来「魔法」を受け取り、ある者は浮遊、またある者はテレパシー、そして別の者は高速移動、といったような非科学的で非現実的な行動をして人気を集める生徒が増加した。
もちろんのこと、教師の耳にもこの噂は入っていた。教師たちは怒る、あきれる、生徒と同じくして探すなど、様々いた。
しかし一人、ここにテスト制作、書類作成、企画参加等々で忙しく、噂に触れる暇すらなかった者がいた。
江霜納雅(28)
2年目なのだが周囲の期待から働きに働き、常に死んだ魚のような目をしている。そのせいか、生徒から「かろーしちゃん」と渾名されている。
納雅はいつも通り、階段を下り帰路に就く。鞄にはテスト問題や書類の入ったUSB、学校からの企画書、覚えなければならない台本。軽そうに見えるが本人にとってはかなりの重さのようだった。
階段の下から手招きするように声が聞こえる。
「おねえさん、大丈夫ですか?時間があれば少し休んでいきませんか。」
幼げな声に納雅は返した。
「今日は帰らなきゃ、早く帰って仕上げなきゃいけないから、私、休んでなんかいれないの。」
その子供の声は悲しそうに言った。
「休まないといけませんよ?だから、お願い。すこしだけでいいの。」
その声に吸い込まれるように納雅は言った。
「仕方ないわね。」
周囲の人間の視界から、彼女は消えた。幸いその現場は誰にも見られていなかった。
「ホー、ホー」とフクロウが鳴いている。
読んでいただきありがとうございます!!!
前書きは前回痛い目を見たので掛けるときに書くスタンスにいたします!よろしくです。
また30話程度で終わるつもりです。
そして他の話との矛盾等がありましても、暖かな目で見守るかご指摘いただくかのいずれかをお願いします。




