不思議な魔法石
コアが消えてから3日が過ぎた。
急に使えなくなってしまった魔法石に変わるものを使っている。コアルームの下にある、鉱石とかが湧いてくる謎の部屋も今では止まってしまってる。
私の連絡用の魔法石も使えなくなったので、昔ながらの電気で動く機械を使っている。魔法石で動いている連絡機の中にも現在、動いているものがあるらしいが、私のには該当しなかったらしい。
魔法石で動いていた自動ドアも今は真ん中に穴が空いている。ドアを取り外したほうが魔法石が使えるようになってからの処理が楽なような気がするが、おそらく、当分魔法石は使えない状況が続くだろう。
今日はもうやることを全て終わってしまったので、ついでにコアルームに寄ることにした。
コアルームはとても暗く、ライトをつけないと何も見えない。しかしここのライトは、魔法石で動いていたのかつかない。仕方ないので懐中電灯を使って辺りを見渡した。
ふと、コアのあった台座あたりを照らしている時、光が反射した。
一体何が反射したのだろうと見てみれば、魔法石の先っちょだろうか。
少し、手触りでその周りをいじってみれば、カチッという音とともに土台が開き始めた。
開き終わった後、そこを見てみれば、虹色に光る見たことのない魔法石があった。これは今回の事件の主な担当をしているリーダーに報告しなければならないと思って手に取ろうとすれば、いきなり半透明の画面が飛び出してきた。
私はいくつかの言語は習ってるので少しは読める。
画面の中にはこの遺跡で用いられている言語と思われる文字列があった。
そこには、なぜか私の名前と、下にはよくわからない文字列、そしてボタンのようなものがあった。
普通は読めないような暗号で表示されるのに一体何があったのだろうか。
下の暗号のようなものが何か気になったので、電気の連絡機でリーダーと翻訳-解読班に連絡した。翻訳-解読班からはブルアさんという人が派遣されるそうだ。ブルアさんは、翻訳-解読班なのに魔法石を使用した防衛戦も得意という不思議な人である。そんな人が派遣されるならこれが何かすぐにわかるだろうと思った。
リーダーはなぜか近くにいたようですぐに駆けつけてくれた。
「変なものを見つけたって聞いたけどどんなものだい?」
すごく興味津々で聞いてきたため、少し呆れた。
「これです。リーダー、これについて知ってることがあるからって勝手にどっかに行かないでくださいね?」
「ああ、きっと、そうするさ。」
リーダーに注意したが帰ってきたのは生半可な返事だけだった。
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「なんとなくコアに似てるな。ミニコアってことか?」
リーダーが観察を始めてから少し経った。いつのまにかブルアさんも来て表示されている文章を翻訳し終わったようだ。
「下のボタンは、何かを決定するためのものだね。しかし何を決定するのかな?」
「名前じゃないか?知らんな。とりあえず押してみたらどうだ?」
リーダーにそう言われ私はボタンを押してみた。その瞬間、虹色の魔法石は眩い光を放ちながら浮き始めた。
「なんだ!?飛ぶじゃねえか!」
虹色の魔法石は一定の高さになると上昇を止め、それと同時に光の強さも弱まっていった。ボタンがあった画面はたくさんの文字の表が表示されている。画面は二つに増えていた。
「一体これはなんだろうか。」
「何かしらを入力するやつじゃないかな?文字も形も違うけどキーボードだと思うよ。ほら、コアルームにもあったでしょう。」
私の疑問にブルアさんが優しく答えてくれた。キーボードだとすると何を記入するためのものなのであろうか。
「なぁ、適当に押してみないか?」
「それもありですね。どういう動きをするのか気になるので。」
リーダーの案をブルアさんが実行しようとキーボードを触れたが何も起こらなかった。それどころか画面を通り越してしまった。
「あれ?触れない。」
「おう、そうか。では、俺もやってみるかな!」
リーダーが謎の自信に満ちた言い方をしながら触ろうとしたが、できなかった。
「なんだこれ!触れないじゃないか!というか、そこで突っ立ってないでお前も試してみろ。」
「リーダー。私は発見者というだけでここにいるんですけど。。」
リーダーは無理だと思っている私の手を無理やり引っ張った。
私がキーボードを触れ瞬間、触れたところから波紋が広がるように光はじめ、私を囲うように大量の青い画面が出現した。一つ一つの画面にはグラフが書かれていたり、文章が書かれていたりしている。内容はわからないが、何かをまとめているようにも見える。
画面は不規則に動いていたが、次第と規則的になってきて、画面に出ているものによってまとまりができてきた。虹色の魔法石の周りには薄い球の膜ができ、魔法石を守っているように見える。私と魔法石の周りには大量な画面があり外がなかなか見えにくい。
「行ったお何が起こっているのでしょうか。」
「とりあえず待ってみよう。何が起こるかわからないがな!」
外にいるリーダーとブルアさんはこの状況が終わるまで何もしないことを決めたようだった。
私は一回、外に出ようと画面に手を触れようとしたとき、後ろからあのときのコアルームの音が聞こえた。後ろを振り返ってみればそこにあったたくさんの青い画面の中に赤く染まった画面があった。それは徐々に増えていき、それに伴い音も大きくなっていった。
危険だということはわかるがどうすればいいのかわからない。思考がまとまらず何もできない。けたたましい音を聞いているせいなのか頭も痛くなってきた。これ以上は痛くなりたくないので私は耳を塞いだがそれども痛さは増していく。そして、視界が少しずつ暗くなっていった。
視界が半分ほど暗くなった時に、目の前に周りに無数に浮いている青い画面や赤い画面でもなく、白い画面が目の前に表示された。
画面には何かが表示されている。何かしらの文字列だろうか。。。
もう少しよく見ようとしたが、目の前が真っ暗になってしまった。
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ーー
ーーー
目が覚めるとリーダーとブルアさんが話しているのが見える。
場所は移動してなく、壁にかかっている時計を見てみれば時間があまり経っていないことがわかった。
周囲を見て変わったところは特になく、あえていうならさっき
まであんなにも増えていった画面が一つ残らず消えていることだ。
「お、起きたか。」
「あ、はい、リーダー。起きました。」
急にリーダーに聞かれて戸惑ってしまった。
「起きたのなら、あのミニコアを触って見てください。キーボードになんの文字があったのかメモし忘れたので。。。多分触るとキーボードが出ると思いますが、あなたが触らなければ何も起こりませんよ。きっと。」
と、ブルアさんがなんとも不確実なことを言ってきた。さっきは大丈夫であったというだけで次も大丈夫という確証もないのにとんでもないことを言う。
「ブルアさん、そんなこと言わないでくださいよ。。。」
「けどねぇ、私たちが触っても何も起こらなかったじゃないですか。」
「そうだそうだ!」
リーダーが絶対に話している内容を聞かないで援護をしている。なんとなくリーダーが子供のように見え、笑ってしまったのかもしれない。
「おい!今、俺のことを見て笑っただろ!笑ったからには触るんだ!」
「わかりましたよ、リーダー!」
私はリーダーに言われ渋々虹色の魔法石に触った。
するとさっきとは違い、たった一つのなんの文字も書かれていない薄青い画面とキーボードが出てきただけだった。
「これってなんでしょうか。ブルアさん、わかりますか?」
「これは一体なんだろう。そのキーボードを使って入力してみたらいいかもしれないね。」
「はい、わかりました。けど、どれを押せばいいのでしょうか。私の知らない言語、というか全くみたことのない文字なので。」
「なんでもいいじゃないか!」
リーダーが棚で何かを探しながら適当に言ってきた。
「リーダー。さっきのこともあるのでそんな適当な事言わないでくださいよ。私さっき倒れたんですからね!」
しかし、今リーダーが言ったこともある程度正しいのかもしれない。しかし適当に押してまた倒れるような羽目にはなりたくないと思った。
「リーダーは言い方がアレだけど、実際に試してみたら?やってみないとわからないし。」
「ブルアさんがそこまでいうなら、やってみます。」
「おい、なんで俺の言うことは聞かないんだよ!」
私がリーダーの言うことは簡単にきかないで、ブルアさんの言うことには従うので、リーダーが後ろから何か言っている。
それはさておき、私はキーボードの真ん中にあるボタンを押してみた。
すると、押したボタンに書いてあった字が隣の画面に表示された。
「なんだか、入力装置みたいですね。」
「多分、そうなのでしょう。このミニコアは、おそらく何かを記入して使うのかもしれません。」
私のなんとなく発言した言葉をブルアさんがわざわざ返事をしてくれた。
「しっかしまぁ、使い方がわからないのか。マニュアルに載ってればいいんがな。」
そう言いながらリーダーは棚の上にあったマニュアルをブルアさんに投げた。
「マニュアルに書いてあるんだったらもうこれがなんだかわかってたと思うですがね。。。まだ解読が終わってない所に載ってるんでしょうか。」
ブルアさんは、受け取ったマニュアルをパラパラと中身を見ないでめくりながら言った。
「なんにせよ、今はコアの件もありますし一旦放置するのも手かもしれません。コアが見つかって落ち着いたらもう一度調べ始めるようにすればいいと思います。」
ぱらぱらと捲るのをやめマニュアルを閉じてからブルアさんは言った。
「そうするのも手だな。しかしミニコアはどこに保管するか思いつかんな。倉庫に入れたら無くなりそうだしな。。。」
「めんどうごとは『発見者』に、保管して貰えばいいのではないでしょうか。」
ブルアさんがやけに発見者ということを強調していってきた。面倒ごとを私に押し付けるつもりなのであろうか。
「いや、待ってくー「おう!わかった!そうしよう!あとはよろしくな!」
私が抵抗するのに被せて大きな声でリーダーが言ってきた。
「リーダー、私、わかったてって言ー「よし、一件落着!解散!」
そう言いながらリーダーは逃げるようにコアルームから出ていった。そしてブルアさんは私を少し見てから、
「お願いしますね。」
と言ってから同じように出ていってしまった。
私は虹色の魔法石を見て、これをどこに置こうか考えながら、同じようにコアルームから出ていった。
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