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封印の書 2

別視点です。

 俺が勇者って……いきなり何を――


 ひたいに変な汗をかきながら『封印の書』に手を伸ばそうとしている俺、アシュ・ナリッド。


 俺を強く見つめるレイン、いや賢者様の視線には、迷いがないように感じる。彼の感覚が鋭いのは理解しているけど……急に勇者かもなんて言われても……。


 思えばこの森に入ってからずっと、俺に対するレインの様子はおかしかった。俺にだけ何故か厳しくて、感情を爆発させて泣いたり……。


 さっき突然引き返してきた彼に勢いよく手を掴まれて引っ張られて……二人で走って走って、こんな所まで来て――


 今、デカい白虎が目の前に! シキガミとかいう異国風の二人組も怪しいし、結界内ではレインが2回も死にかけた……。魔王を倒す前から命懸けじゃないか。


 封印の書――これを開いたら何が起こるのか……正直、怖い。


 レインと白虎達の視線が俺の手元に集中し、緊張と混乱で身がすくむ。恐る恐るその本を手に取った俺は、必死に呼吸を整えて、眩みそうになりながらも何とか表紙に焦点を合わせる。


 糸で……綴じてる……? 紋章が描かれた美しい表紙を開く。


「……」


 感じた微細な違和感。瞬時に閉じて裏返した。

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