表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/67

トトフ誕生!

 一悶着あったが、あの後無事に秘宝調査隊の登録を完了させた。女性陣の分も委任状で代理登録し、正式に俺達のパーティーが誕生だ!


 パーティー名は『トトフ』。

 レガードに勝手に名付けられてしまったのだが、秘宝調査隊の夢が叶って嬉しいんだろうから……まぁ良しとした。

 トトフとは”便利屋”。『どんな依頼でも承ります!』っていう意味で付けたらしい。何その宣言。ノア先生は「分かりやすくていいじゃないか」と気に入っていたけど……。


 それはそうと、今、イアンさんにガミガミ言われているところだ。


「レイン、あのなぁ。あれはお前も悪いんだぞ! 興味ないとか!」


「は、はい……すみません……」


「ああいう冒険ラブのおっさん達は面倒くさいんだ。気を付けろ」


 俺はチラッとレガードを見た。何でかは言わない。


 てか、叱る時になってやっと名前呼ぶとか。ふてくされてやるー!


 別に俺だって前世のトラウマがなければ、きっと普通の子供のように冒険者に憧れてるさ。


 未だ、前世で死ぬ時の夢を見る。斬りつけられる痛みと無念、目の前がグラついて意識が遠のく感じ……。言葉では言い表せない苦しみと怒りで目が覚める。


 この深く重いトラウマを、克服しないといけない――先に進むために。


 他人と信頼関係を築き、長い長い冒険行動を共にできるようにならなければ、魔王討伐どころではない。


 そのために仲良しとパーティーを組んだ。とりあえずはリハビリだな……。


「人の話、聞いてんのか!?」


 あーまだ怒ってるよー。話長いよー。


「だからって俺のレインを殴り飛ばすなんて、ふざけた野郎だ。矢の一本くらいお見舞いしてやってもよかったか!?」


 いやいや、怖いです。あなたの矢じゃ、普通に死にますって! しかも俺の、って何……。


 あっ、話を変えるなら今だ!


「あのさ! 俺の友達の魔法矢を鍛えてあげてほしいんだけど……」


「ん?」


「初めまして! アシュ・ナリッドと申します! レインとはグライフ総合学園の同級生で、仲良くしてもらってます! 『リング』のイアンさんに憧れていましてっ! 一応メインの武器は弓矢で、魔法もアロー系を好んで使ってます! よろしくお願いします!!」


「凄え。息もつかずに一気に話したな、お前」


 イアンさんも目を丸くする熱量で自己紹介をしたアシュについて、俺が補足をする。


「アシュは学年2位で、俺より優秀なんだよ」


「へえー。レインより強いなら、俺より強いんじゃねーの?」


「レインは学校では手を抜いてますからね、美術と給食の時間以外」


「あー、なるほど。確かにコイツが本気出したら学校壊れるか。……んまぁアシュだっけ、とりあえずお前の実力見てやってもいいぞ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ