『◯◯操作魔法』
ドキドキ。
ついに操作魔法の呪文を覚えたぞ。
これで、馬鹿にされないですむ。
罵倒され続け、苦渋を強いられる学園生活におさらばだ。
見てろよ。アリス生徒会長!
……僕は、ある私立高等学園の生徒会会計を担当している、まだ1年生だ。
アリス生徒会会長は、美人で、文武両道、もちろん学年1位の頭と、トップクラスの運動能力。
……僕以外には、優しくて、優しくて、優しい。
……愛情の裏返しと思っているなら、大きな間違いだ。
アリス会長は、人に優しくしただけ、人に当たる。
アリス会長の正体は+-0人間なのだ。
僕は、全ての優しくてされた人の反動を一身に受けている。
もう、我慢の限界だ。
この、操作魔法を覚えたからには、アリス会長に魔法をかけてやる。
「おい、ボンクラ会計!腰揉め!」
…生徒会室で、いきなりマッサージはないだろ。
「…わかりました。会長。」
僕は、会長の上に乗り腰を揉み始めた。
「こら、痛いぞ!もっと、心を込めてマッサージしろ。」
「はい、はい。」
「あぁ? ふざけるなよ。心込めろよ。」
「す、すみません。」
「ん、そうそう。気持ちいい。」
しばらくすると、会長は静かになった。
「…会長?」
「…ん」
「聞いていいですか?」
「何だ?」
僕は、ゆっくりと、操作魔法をマッサージの間、会長に注ぎ込んでいた。
ゴクリ。い、言うぞ!
「か、会長。あなたのステイタスは、感情の コントロール、正の感情を受けたら、必ず負の感情もどこかに発散させます。…なぜ、それが毎回、僕なんですか? 答えなさい!」
「お、お、お前、操作魔法を……」
「そうです。生徒会に入って、この魔法のステイタスばかり上げてきました。さぁ、答えてください!」
「あ、あぁぁ、ち、ちくしょ…」
あぁ、なんて快感なんだろう。
今まで、僕を、馬鹿にしてた会長が、僕の命令を聞こうとしている。逆転だ!
「な、なぜって……あ、あなたが……す、……す……好き…だか…ら…」
会長は涙ぐんでいた。
「わ、私は、優しさと、厳しさが……半々しか与えられない………だから、誰でもいい…人には、優しさを……最愛の人には、……厳しさ…を…」
僕は、魔法をやめて、マッサージもやめた。
僕は、その場で、うつむき、後悔した。
なぜ、こんなことをしてしまったのだろう。
涙出てきた。
やってしまったことは、取り消せない。
謝ってすむことじゃない。
「か、会長。ご、ごめん…なさい。」
僕を見つめる魔法の溶けた会長は鬼の形相だった。
当たり前だ。好意を寄せてた人にレイプまがりの告白を無理やりさせられたのだから…
「……一言だけ、言っておく。私は、感情のステイタスがわかる。だから、アンチ操作魔法も覚えている。…わかったな。」
「?」僕には、会長の言葉の意味が解らなかった。
読んで頂き誠にありがとうございます。
今日のTwitterトレンド「◯◯操作魔法」です。
皆さんは、どんな操作魔法が欲しいですか?
私は、「時間を自在に操る魔法」「空間を自在に操る魔法」「気体を自在に操る魔法」「他人を自在に操る魔法」「生死を自在に操る魔法」「見えなくする魔法」「感知されなくなる魔法」「……」はっ(゜゜;)
無かったことに…w
それでは、またお会いいたしましょう。三 (lll´Д`)