第4話 「疑懼」
今日も読んでいただきありがとうございます!最後まで見て貰えたら幸いです!ちなみに今回のサブタイトルは ぎく って読みます!
あと、第1話を読みやすくなるように編集しました!良ければ確認してみてください!
「ここからは俺たちも知らないんだ…でも…家には帰ってなかったみたいだから…捜索届けは出したらしい……」
湯川の話の中に2つほど…個人的にかなり気になることがあった。
「おっはよっす!!」
こんな空気になっている事も知らず陽気に入って来たのはもちろん憂夜。
「あれ、竹林と樋田は?休み?」
状況把握はいつも通り早い。俺は湯川から聞いた話をまとめて憂夜に話す。
「…竹林が消えたのは1階のトイレ…だったよな?あそこ俺もよく使ってるんだよ」
一体こんな時に憂夜は何を言っているんだ、と思ったが、ちゃんと筋が通っていた。
「やけにあそこの個室だけ風通しがいいんだよ。窓がないくせに。風通しというより…どこかに隙間があってそこから風が入ってきてるような……」
これだ。そのトイレには別の出口があったんだ。完全なる密室ではなかったんだ。
「今すぐトイレを確認しに行こう!」
キーンコーンカーンコーン……と、俺の叫びも虚しくホームルーム5分前の予鈴が鳴る。
ガラガラと音を立て新妻先生が入ってくる。
「…えー、竹林君と樋田君は今日は休みですね……」
あまり騒ぎにはしたくないのか……休みという言葉で済ませている。
さて、湯川の話で気になった2つの内の1つ…未来書の内容が本当なら…いずれ湯川も消えるはず…。もしかして湯川はもう…竹林と樋田の失踪の真実を知っているのか…?
もう1つは……未来書の内容のぼ━━━━
「来輝!もうホームルーム終わったぞ!やけにボーッとしてどうした?トイレ見に行くんだろ?」
「わ、憂夜…いや、色々と考えてたんだ」
もちろん、現場には湯川達も連れていく。そして湯川に聞いてみる。
「なぁ、未来書の通りならお前は竹林らの失踪の真実に気づいて消えるはずだ。ってことはまだ真実は知らないのか?いや、消えて欲しいわけではないぞ??」
「…あぁ、知らない。知ってたらとっくに津島にも吉岡にも、お前らにも言ってるよ」
だよな、そりゃそうだ。命の恩人の居場所を知ったならすぐに俺たちに話してそこに向かうはずだ。
そんな事を考えている時に憂夜がボソッと呟く。
「…もっと美味しいパンを渡せばよかったかな…」
〜続く〜
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