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小さい……けれどその生物の他と比べれば大きい、渋い茶色をした生き物の話
しとしとと、雨が降る。どんよりと曇っている……そう表現をよくするけれど、じっさいは、そんなにどんより……とういう感じでもないんじゃないかの。
白い紙に薄めて黒が黒だかわからないようなほんのりとした水彩絵の具の黒を、所々でぼやかして、水をこぼしてにじませた感じ……というのかの……?
まぁそんなことは良いのじゃが。わしはゲコッと鳴くと、乗っていた青々とした緑色の葉から跳びはねた。地面が、上下に動きながら、わしは跳びはねる。
パシャパシャと大きな湖が跳ねながら、わしは跳びはねる。
ぽとり…と、青々とした葉から、雫が落ちてきた。ふと顔を上げれば、雨は止んでいた。
おぉ、そろそろ明けるかの?
空にはゆっくりと白が引いていき、太陽が射し込んでくる。
わしは少し、目を細めた。