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ある茶色の生き物の話
ぽつり。何かがボクの茶色で黒の斑点のある羽に落ちてきた。
ぽつり、ぽつり。ボクの羽に染みを作っていく。
どうしよう、早くしなきゃ。
羽に力を込めて、僕は慌てて飛ぶ。
どうしようどうしよう。
羽が重い。あ……!
たくさんの葉っぱが茂っている下に慌てて飛び乗った。ぽたぱたと茶色に黒い染みを作っていく。
ボクはこれ以上は濡れなくて、たくさんの葉っぱの下で、焦げ茶色の大きなごわごわした棒の上で、ボクの知っている風景が水に濡れていく。
ボクの羽が完全に乾いた頃、雨が止んだ。隠れていたみんなも集まってくる。黒い棒にみんなで乗ると、少しだけそれはゆらゆらと揺れた。
その時、仲間の誰が小さく悲鳴を上げた。
慌ててボクたちは黒い棒から飛び立った。
わわ……黒くて大きい鳥だ……!早く逃げなきゃ食べられちゃう……!
パタパタと僕はまた、みんなと逃げ回る。
そしてしばらく逃げ回ったら、また身を寄せて、黒い棒に止まるんだ。