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???話 腐れ神  六話 練習が授業になりました。

 腐れ神。


 それは天上の世界から追放された神が地上に落ちた神の事を言う。

 神核を砕かれ地上に落とされるため、地上で活動が出来ない。その為、腐れ神は人に憑りつく。

 腐れ神は人に憑りつく際、人の悪心に過敏に反応し、腐れ神は完全に魔に落ちる。

 それが魔神憑きと呼ばれる存在である。


 それらがいつごろから現れ始めたのかは定かではない。

 ただ、魔神憑きが人に危害を加え、多くの人間を殺してきた事は事実として残っている。

 

 魔神憑きになった人間は肌の色がドス黒い肌の色に変わる。

 そして目の色が赤く染まり、それと同じくして髪も赤く染まり始める。

 力は人であった時の十倍。

 魔力量も人であった頃の数百倍ととんでもない化け物となる。


 魔神憑き一体で三万の連合軍を殲滅したと言う記録も残っている。


 十三大陸条約で魔神憑きが現れた場合、早急に軍を派遣しこれを討伐する――となっているためだ。


 十三大陸史には、史上最悪の魔神憑きが過去三度も出現している。


 一回目が百五十年前、まだ十三大陸が一つの国になった頃の帝国宰相に腐れ神が憑りつく。


 宰相は王を傀儡とし、重税、圧政をしいた。

 特に帝都では路上に人の死体が転がっていない日はなかった。


 しかし、その二十年後。


 悪政を敷き続けた王(傀儡)と宰相が十四騎士によって倒され、大陸は十四等分され、十四人の騎士が統治する事になった。

 だが、ここで不測の事態が起きた。

 その内の一人に腐れ神が憑りついたのだ。


 それが七十年前。


 この時の資料や記録は正確には残されていない。

 ただ、この時の事が後の【統合騒乱】の引き金になったのは間違いない。


 そして二十年前である。


 この魔神憑きに関しては正確に記録が残っている。

 この魔神憑きがもたらした被害は都市が一つ焼失。

 都市に住む三十四万人が焼き殺さされると言う最悪の事態となった。


 言い方を変えれば、被害がこの都市一つですんだ事は奇跡といえる。

 この時より魔神憑きにランクが定められた。


 この災害級の魔神憑きをS級、人災級(一体で三万の連合軍を壊滅させる程)の魔神憑きをA級、魔物と同じ程度の魔神憑きをB級。


 そしてこの時を境に傭兵ギルドのトップランカーにも参加以来を出し始める。

 何より、この魔神憑きを討伐せしめたのが赤炎の女帝であったからだ。







 翌日の天気は晴れだった。


 澄み渡るほどの青空ではなかったが、飛竜に乗るならこのくらいの天気でも気持ちがいいだろな。


 この日から俺はグラトニールと共に、母ミュルスに魔法を習い始めた。

 朝七時の朝食を終えると竜舎に向かい。


 八時から三時間、魔法の座学と一般常識の講義が始まった。

 (一時間ごとに十分の休憩)

 場所は俺が昨日倒れた時に寝かされていた木の下。

 そこに俺とミュルス、グラトニールで机と椅子、黒板を持って行く。

 黒板は木の枝に吊るし、ミュルスが裏に周り何かを書き始めた。


 「カレン。講義を始めるから、さっさと黒板の前に机を置いちゃいなさい。ぐらちゃんはカレンのとなりよ」

 「あ、はい」


 ――わーい! 主様のとなりだ!!


 ミュルスは黒板の裏から戻ってくるとまず左上にチョークで『魔法について』そう書き始めた。

 この世界にもチョークてあるんだな。

 変な所に感心してしまった。

 「魔法って言うのは、この世界の理を司る“七本の世界樹”が出すマナと人が元から持っている魔力のいずれかによって発現されてるのよ」

 

 世界樹ユグドラシルって言われたら北欧神話しか出てこねーよ。


 「世界樹?」

 「そうよ」


 『・忠義の世界樹・・・主君や国に対して真心を尽くして仕えている人の溢れる力を源にしている世界樹


  ・寛容の世界樹・・・心が広くよく言動を受け入れている人の寛容性を源にしている世界樹


  ・勤勉の世界樹・・・仕事や勉強などに一生懸命に励む人の溢れる力を源にしている世界樹


  ・慈愛の世界樹・・・いつくしみ、可愛がるような、深い愛情を受けた者の幸福感を源にしている世界樹


  ・分別の世界樹・・・道理をわきまえているが、それでも越えそうになる人の力を糧にしている世界樹


  ・純潔の世界樹・・・けがれがなく心が清らかな人の善の力を糧にしている世界樹


  ・節制の世界樹・・・度を越さないように控えめに押えている。人の力を糧にしている世界樹』


 

 「こんな感じかな……世界樹は人が前向きに生きようとする力をこの世界中の人達から少しづつもらって、それを糧に生きているのよ。で、その感謝の代わりに世界中に愛を満たしているの」

 「マナって大事なの?」

 「そうね。とっても大事よ。人にも亜人にも魔族にも動物にも植物にも魔物にも竜にもね」


 植物が出すんだから、それって酸素じゃないの?

 人間が出すのは二酸化炭素だから別に世界樹云々関係ないんじゃないのかな?


 「愛って見えるの?」

 「見えるわよ。見たい?」

 「見たい!」

 「じゃあ。明日の朝、早起きして見に行きましょうか」

 「ホント! いくいく!!」


 え? マジで見に行くの?

 どこに? おとぎ話とか見えないけど確かにあるのよ。

 てきな物かと思ってたから見たいって言ったけど……いじになってるの?

 ママン?

 

 ――愛っておいしいんですか?


 「いや、知らん。お前も来ればいいじゃん」


 ――ああ。ですね! お供させていただきます。主様!!


 「お母さん。グラトニールも一緒に行きたいって。いい?」

 「いいわよ。逆に連れて行こうかと思っていたぐらいだしね」

 

 グラトニールを連れて行く?

 そんなに山奥なの? 

 森の奥地なの?

 魔窟なの?


 「そんなに危ない所なの?」

 「まあそれなりにね。大丈夫よグラトニールは生まれてその日に+A級の魔獣を倒しているくらい丈夫だから」


 どんな安心?

 魔獣倒してたなんて今日初めて知ったよ!


  「世界樹のある場所には愛が溢れているから魔獣も魔物も強く、そして大きくなる。それだけでも脅威なのに更に魔法を使って攻撃してくるから性質が悪いの。まあ高質力で魔法をぶっ放しても濃密な愛が溢れているから自分の魔力を使わずに魔法が行使できるのはとっても楽しいのよ!」


 相当この人、高位の魔法をポンポンぶっ放して遊んでたな。

 そうしている内にジリジリとミュルスのポケットから音が鳴り始めた。

 彼女はそれを取り出し音を止める。

 

 「次はスキルと魔法を教えて、その後は実際に魔法とスキルを使って見る所まで今日はやるからね」

 

 そう言ってミュルスは竜舎の方へ歩いて行く。

 

 「なんか母さん元気だな。あれで妊婦さんなんだからすごいよ」


 ――弟様ですか? 妹様ですか?


 「多分弟だと思うぞ。俺が入る事になっていたからな」

 

 ――でも私は女の主様の方が好みですよ?


 「俺が気に入らないんだけどな」

 俺はみにならないような話をグラトニールとしながら時間を潰した。

読んでくださる方ありがとうございます!!

いきなり体調を崩し、二日寝込んでたのでかなり短くて申し訳ないです。

感想評価お待ちしております!


数文だけ増やしました。

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