第十話『ルーン文字と魔法』
市場から帰宅した。
『地形学』
『魔物図鑑』
『魔術教本』
初めに『地形学』からだ。
僕は異世界の文字が読めなかったので、ノルンに読んでもらう。
「クネヒト、ここがスカンジア大陸。私たちがいる大陸ね。グローリア・スノーピーク・ホワイトサンド・ヘスティア・ヒストリア・ベラドンナ・アリアの、7つの地方で構成されています。で、スカンジアの隣の大陸が魔大陸。危険区域にしていされているわ」
「ここは?」
「ここはグローリアよ」
「ふむふむ」
さて次に『魔物図鑑』だ。
本を開くと魔物の生態が絵描かれていた。
神父様が話した魔物については絵描れていなかった。
仕方ないのでウェンディゴの生態をみてみる。
ウェンディゴ。
身長は5メートル以上。
頭蓋骨のような顔つきに肌の色は灰色、もしくは真っ白。
特徴は人間を食べるたびに、体が大きくなる。
吹雪や嵐の中でも素早く動け、信じられないほどの力を持つ。
人に姿を見られないように、旅人の背後に忍び寄る。
知能は高く。非常に抜け目がなく、狡猾である。
※旅人は注意。
「だって」
「ウェンディゴには注意しなきゃ」
「そうね。トムテが集まってやっと勝てる相手だわ」
最後に『魔術教本』
大陸全土に広く知れ渡っているのがルーン文字である。
ルーン文字は一般庶民にも王族にも知れ渡っており、魔力さえあれば手軽に使える。
「僕にも魔力があるかなぁ」
「お父さんに剣を貰ってくるから、まってて」
「え!?」
「お父さんもきちゃった」
「はっはっは!剣の手ほどきをしてもらいたいのか。いいだろう!その貧弱な体を鍛えなおしてやろう」
「そっ・・・そこまでは、僕は魔力があるか知りたいだけで」
「いいから。いいから遠慮するな」
「あっ」
クネヒトはウィンターズさんに肩を組まれて、強制的に外に出る。
「地面に置いてある剣を取れ」
「こっ、こうですか」
「そうだ。柄に文字が描いてあるだろう」
!
「あります!」
「それはアンサズ・エワズ・ダガス・ソウェル。火を司るルーンだ。ルーンの利点は詠唱せずとも魔法を使えることにある。こういうふうにな」
ウィンターズさんは剣を振った。
ボッ
剣に炎がまとった。
す、すごい。
「柄に意識を集中して剣を振ってみろ」
クネヒトは全神経を柄に集中させながら剣を振る。
「てぃっ」
剣を振るが炎が出ない。
「もしかして魔力がないんじゃないか」
「え?」
「ごくまれにいるんだ。魔力がない人間が」
このときクネヒトは思った。
元居た世界が、魔力が存在しない世界だった。
だから異世界では魔法が使えないのではなく魔力がないのだ。
「困ったな。魔物と遭遇したときに対処のしようがない」
「お父さん。私が使っていた短剣をクネヒトに渡してあげたらいいんじゃない」
「そうだな。クネヒト君、これを」
ノルンのお父さんはクネヒトに文字が描かれた短剣を渡した。
「これは、幼いころノルンに持たせていた短剣だ。私の魔力が込められている。みためはただの短剣だが、魔物を仕留める際に役立つんだ。相手の体がどんなに硬くとも貫くだろう」
「ありがとうございます」
クネヒトは短剣をポケットにしまった。




