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第八章 ギルドは、暴走する
地下区画が解放された夜、
街は静かに狂い始めた。
死んだはずの冒険者が現れ、
人々は囁く。
「ギルドは嘘をついていた」
混乱は恐怖に変わり、
恐怖は怒りに変わった。
上層部は即断する。
「選別は必要だ」
「問題は、
従わない者だ」
その名が呼ばれる。
レイン・クロウ。
彼は異常で、
例外で、
排除すべき存在。
夜、
武装した冒険者たちが
動き出す。
その中心で、
ヴァレンは剣を握った。
帳簿ではなく。
命令でもなく。
自分の意志で。
「……遅かったな」
それは後悔であり、
決別の言葉だった。




