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第十章 ギルドのない朝


火は、

夜のうちに消えた。


燃え残ったのは、

瓦礫と、

黒く焦げた帳簿の表紙だけだ。


朝になっても、

ギルドの前に

人は集まらなかった。


依頼は貼られず、

報酬の声もない。


冒険者たちは、

それぞれの武器を持ったまま、

立ち尽くしていた。


「……今日、

 何をすればいい」


誰かが呟く。


答えはない。


これまで、

選ぶのはギルドだった。


危険も、

責任も、

判断も。


それを失った世界は、

急に静かで、

不安定だった。


レインは、

その光景を見渡す。


混乱はある。

恐怖もある。


だが――

嘘は、

もうない。


ギルドは消えた。


そして世界は、

初めて

自分の足で立とうとしていた。


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