表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

第一章 死亡記録は、静かに書き換えられる


冒険者ギルドは、

朝がいちばん忙しい。


依頼掲示板の前には人が集まり、

酒場では昨夜の武勇伝が語られる。


その奥、

誰も立ち入らない記録室で、

ギルド長ヴァレンは

静かに羽根ペンを動かしていた。


「……これでいい」


彼はそう呟き、

一枚の書類を閉じる。


【死亡】

冒険者名:レイン・クロウ

依頼内容:遺跡調査

死因:魔獣による致命傷


その文字は、

事実ではなかった。


ヴァレンは椅子から立ち上がり、

窓の外を見た。


朝日を浴びて、

ギルドの中庭では、

冒険者たちが剣を振っている。


――その中に、

本来は死んでいるはずの男がいた。


黒髪の青年、

レイン・クロウ。


死亡記録に

自分の名があることなど、

彼はまだ知らない。


ヴァレンは目を閉じる。


「すまないな」


それは謝罪であり、

祈りでもあった。


彼は優しい男だ。

だからこそ、

嘘をつく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ