表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂と演算:AI世代の『物語』論争  作者: 済美 凛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/28

ダイナマイトの論理と、道具の罪

場所:久保編集者のオフィス


律からの挑戦状メールを受け取った火野がオフィスに駆け込む。


律はホワイトボードの前に立っている。久保は静観。


「あのメールは何だ!俺の感情論を否定したいだけだろう!」


「ええ。あなたの『AI=悪』という感情論を解体します。私は技術の中立性を証明する。」


火野は苛立つ。


「道具は、人間の魂を削る行為を代替する!文化の破壊だ!」


「それは感情論です。ダイナマイトは破壊だけでなく、人類の効率化に貢献した。」


「ノーベルは苦しんだ!その苦悩が道具の罪を証明している!」


「ノーベルの苦悩は、道具の罪ではない。人間の使い方という非効率な感情に向けられたものです。」


「AIが小説を書けば、言葉はただの記号になる!魂の匂いが消えた、無菌室のデータになるんだ!」


「それはあなたが感情的に判断しているだけ。道具は中立。AIは技術を持たない人間に文才を与える中立的な道具です。道具に罪はない。」


火野は論理的に追い詰められる。


「技術の民主化だと?それは、文才を持つ俺の壁を壊したいだけの傲慢だ!」


「今の小説界は、『文才』という名の技術職です。敷居が高すぎる。」


「AIは、才能がないと諦めた人たちの救済こそが役割です。」


「その中に、太宰や芥川になり得る逸材が埋もれているかもしれない。」


「あなた方は、自分の領域が広がることを、破壊されると怖がっているだけです。」


久保は、議論の終わりを見極め、静かに席を立つ。


「(火野に)どうでしたか、火野さん。あなたの熱は、論理という盾の前では、まだ不発の瓦礫にしかならない。」


火野は悔しさに机を叩きつける。


律は、火野のその悔しさが次のエネルギーになると確信し、オフィスを去る。


二人の関係は「論敵」から「互いの能力の必然的な検証者」へと静かに移行していくのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ