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第26章 基準の外に立つ 第1話 選ばれない朝
朝。
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掲示板の
前に
人が
集まっていた。
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ヒカルは、
通り過ぎる
つもりで
足を
止める。
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紙。
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名前。
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順番。
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ヒカルの
名前は、
ない。
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「……あ」
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誰かが
気づく。
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「……今回は
若い
人で」
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「……回す
って」
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言い訳
でも
ない
声。
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ヒカルは、
うなずく。
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「……それで
いい」
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畑に
向かう。
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後ろで、
話し声。
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「……でも
ヒカルなら」
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「……いや」
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「……だから
だろ」
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聞こえた
けど、
振り返らない。
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畑。
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土は、
昨日より
柔らかい。
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手を
入れる。
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何も
決めない。
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昼。
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若者たちが
現場に
向かう。
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ヒカルは、
道を
譲る。
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「……行って
らっしゃい」
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返事は、
軽い。
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「……行って
きます」
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誰も、
振り返らない。
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それで
いい。
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午後。
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遠くで、
機械の
音。
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止まらない。
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ヒカルは、
空を
見る。
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「……基準は」
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「……中に
いる
人の
もの」
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「……外に
立つ
人は」
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「……邪魔に
ならない
こと」
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ログ。
「選ばれなかった」
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「……それは」
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「……退いた
証」
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「……同時に」
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「……自由の
始まり」




