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第3話 いない席で
決定は、
夜に
出た。
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ヒカルは、
家に
いた。
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携帯が
鳴る。
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「……決まった」
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短い
連絡。
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「……続行」
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「……条件付き」
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ヒカルは、
聞く。
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「……条件」
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「……子供の
通行路を
先に
整える」
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「……高齢者の
移動日は
作業を
止める」
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少し
間。
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「……ヒカルの
案は」
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ヒカルは、
遮る。
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「……村の
案だ」
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電話の
向こうで、
笑い声。
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「……そう
言う
と思った」
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通話が
切れる。
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ヒカルは、
縁側に
座る。
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静か。
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名前は、
呼ばれた。
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でも。
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席は、
空いた
まま。
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それで
いい。
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翌朝。
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畑の
道が、
少し
広く
なっていた。
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子供が
走る。
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誰も
止めない。
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ヒカルは、
遠くから
見る。
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声は、
かけない。
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ログ。
「いない席で
決まった」
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「……それは」
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「……役割が
消えた
証」
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「……でも」
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「……名前は
残った」




