第2話 困る人の名前
集会所。
紙の
音だけが
する。
⸻
「……書けた
か」
⸻
年長者が
言う。
⸻
誰も、
すぐに
出さない。
⸻
「……子供」
⸻
小さな
声。
⸻
紙の
上。
震えた
文字。
⸻
「……作業が
止まる
と」
⸻
「……親が
困る」
⸻
「……学校に
影響が
出る」
⸻
別の
紙。
⸻
「……高齢者」
⸻
「……移動が
増える」
⸻
誰かが
言う。
⸻
「……今まで」
⸻
「……数字
だけ
見てた
な」
⸻
沈黙。
⸻
ヒカルは、
何も
言わない。
⸻
年長者が
紙を
重ねる。
⸻
「……この中で」
⸻
「……一番
守る
べきは」
⸻
誰も、
即答
しない。
⸻
ヒカルは、
ゆっくり
口を
開く。
⸻
「……決める
人が」
⸻
「……守る
覚悟を
持てる
人」
⸻
視線が
集まる。
⸻
「……役じゃ
ない」
⸻
「……名前」
⸻
村の
大人が、
子供の
名前を
口に
出す。
⸻
空気が
変わる。
⸻
「……あの子
だったら」
⸻
「……確かに」
⸻
ヒカルは、
一歩
引く。
⸻
「……僕は
ここまで」
⸻
「……あとは」
⸻
「……村で
決めて」
⸻
年長者が
うなずく。
⸻
「……ああ」
⸻
「……今日は
頼らなかった
な」
⸻
ヒカルは、
答えない。
⸻
集会所を
出る。
⸻
外。
⸻
子供が
待って
いた。
⸻
「……どう
なった」
⸻
ヒカルは
笑う。
⸻
「……名前が
増えた」
⸻
ログ。
「困る人の
名前」
⸻
「……それは」
⸻
「……数字を
越えた
基準」




