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第3話 答えない人
夕方。
戸を
叩く
音。
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「……ヒカルさん」
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子供だった。
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「……どう
した」
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畑の
帰り。
泥の
ついた
靴。
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「……失敗
した」
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ヒカルは、
何も
聞かず、
座る
場所を
示す。
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子供は、
しばらく
黙る。
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「……前は」
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「……ヒカルさん
なら」
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ヒカルは、
首を
振る。
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「……今日は」
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「……教えない」
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子供は、
驚く。
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「……じゃあ
どう
したら」
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ヒカルは、
外を
見る。
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「……考える
時間」
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「……一緒に
使う」
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風。
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畑の
匂い。
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「……失敗
したら」
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「……もう
来ちゃ
だめ
ですか」
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ヒカルは、
静かに
笑う。
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「……来て
いい」
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「……答えを
持って
来なくて
いい」
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子供は、
うなずく。
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立ち上がる。
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「……また
来ます」
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「……うん」
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子供が
去る。
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ヒカルは、
座った
まま。
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何も
書かない。
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ログ。
「答えない
人」
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「……それは」
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「……最後に
教える
方法」




