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第2話 肩書きのない返事
午後。
携帯が
鳴った。
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知らない
番号。
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「……ヒカルさん」
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「……以前の
現場の
件で」
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声は、
丁寧。
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「……次の
案件を」
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ヒカルは、
すぐに
答えない。
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縁側。
風。
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「……今の
僕は」
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間。
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「……何を
求めて
ますか」
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相手は、
少し
戸惑う。
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「……え」
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「……現場を
まとめて
もらえれば」
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ヒカルは、
首を
振る。
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「……まとめ
ない」
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「……作る
だけ」
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「……人と
仕組み」
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沈黙。
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「……肩書き
は?」
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「……いらない」
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「……責任は
取る」
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「……でも
前に
立たない」
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相手が
息を
吸う。
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「……珍しい
ですね」
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ヒカルは、
少し
笑う。
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「……呼ばれ
なくても
いい」
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「……残れば
いい」
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通話が
終わる。
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ヒカルは、
空を
見る。
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村の
音。
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遠くの
現場。
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自分の
居場所が、
形を
変えている。
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ログ。
「肩書きの
ない返事」
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「……それは」
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「……立たない
選択」
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「……呼ばれ
ない
強さ」




