第22章 通じない場所 第1話 速さが正義
朝。
村より
ずっと
大きな
畑。
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人も、
機械も、
多い。
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「……今日から
ここだ」
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案内役の
男が
歩きながら
言う。
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「……求めてる
のは」
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「……成果」
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「……スピード」
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ヒカルは、
周囲を
見回す。
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作業者は、
指示を
待っている。
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「……説明
する
時間は?」
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男は、
即答した。
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「……いらない」
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「……言われた
通り
やれば
いい」
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胸の奥で、
小さく
警告音。
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「……誰が
判断
する」
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「……あなた」
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「……だから
呼んだ」
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ヒカルは、
少し
黙る。
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作業開始。
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「……次!」
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「……止める
な!」
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声が
飛ぶ。
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ヒカルは、
気づく。
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土を
見ていない。
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「……待って」
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ヒカルが
言う。
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「……水」
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「……今
入れすぎ」
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現場監督が
振り向く。
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「……問題
ない」
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「……数字は
合ってる」
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ヒカルは、
しゃがみ込む。
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「……数字
じゃない」
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「……ここ」
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土を
すくい、
見せる。
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「……明日
崩れる」
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監督は、
舌打ち。
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「……明日の
ことは
明日
考える」
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ヒカルは、
立ち上がる。
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「……それ」
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「……人も
畑も」
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「……壊す
やり方」
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空気が
冷える。
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「……ここでは」
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「……速さが
正義だ」
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ヒカルは、
静かに
答える。
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「……ここでは」
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「……正しさが
後回し」
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誰かが
小さく
笑った。
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「……理想論
だな」
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ヒカルは、
笑わない。
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「……だから」
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「……通じない」
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その言葉で、
現場が
止まる。
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男が
近づく。
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「……君を
呼んだ
理由」
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「……分かって
るか」
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ヒカルは、
真っ直ぐ
見る。
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「……分かってる」
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「……でも」
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「……変えない」
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ログ。
「ここでは」
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「……通じない」
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「……でも」
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「……通じない
やり方を」
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「……そのまま
には
しない」




