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第3話 条件
朝。
村の外れで、
あの車が
待っていた。
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「……決まり
ましたか」
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男が
静かに
聞く。
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ヒカルは、
すぐに
答えない。
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「……条件」
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男は、
少し
驚いた顔を
する。
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「……条件?」
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「……一人で
回さない」
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「……教える
時間を
含める」
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「……僕が
いなくても」
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「……残る
仕組みを
作る」
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沈黙。
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「……効率は
落ちます」
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男が
正直に
言う。
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「……それでも
いい」
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「……効率
だけなら」
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「……僕じゃ
ない」
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男は、
しばらく
考え。
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「……なるほど」
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「……あなたが
選ばれた
理由」
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「……今
分かり
ました」
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手が
差し出される。
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「……条件」
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「……受けます」
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ヒカルは、
その手を
取る。
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背後。
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「……ヒカルさん」
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若者が
立っていた。
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「……行く
んですね」
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「……うん」
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「……でも」
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「……戻る」
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若者は、
笑った。
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「……知って
ました」
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村の畑。
水路。
空。
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ヒカルは、
一度だけ
振り返る。
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「……ここで
学んだ
こと」
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「……外で
使う」
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「……外で
学んだ
こと」
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「……ここに
戻す」
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車が
走り出す。
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村は、
動き続ける。
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ログ。
「選ばれた
理由」
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「……全部
やらない
から」
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「……残る」
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「……僕は
通る」
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「……つなぐ」




