表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
田んぼのポンコツロボット 〜今日も泥だらけ〜  作者: さくらんぼ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/109

第17章 任せた、その先で 第1話 一人でやってみます

 朝。


 畑に出ると、

若者はすでに来ていた。


 ヒカルより、

少し早い。



「……早い」



「はい」


 若者は、

少しだけ緊張した顔で

言った。



「今日は」



 一拍。



「一人で、

やってみます」



 ヒカルは、

すぐに返事が

できなかった。



「……全部?」



「はい」



 胸の奥に、

小さな違和感。


 昨日の雲。


 夜の湿気。



「……天気」



「見ました」



「……水」



「考えました」



 言葉は、

ちゃんとしている。


 ちゃんと、

学んだ顔。



「……分かった」


 ヒカルは、

うなずいた。



「……僕」


「近く、

いる」



「はい」



 作業が始まる。


 若者は、

一つ一つ

確認しながら

進めていく。



 ヒカルは、

少し離れた場所で

見ていた。


 手を出さない。



 昼前。


 雲が、

予想より

早く動く。



「……?」


 ヒカルは、

空を見る。



 風。


 湿った匂い。



「……少し、

早い」



 若者は、

気づいていない。



 ヒカルは、

一歩、

踏み出しかける。



 ――でも。



「……任せた」


 自分に、

言い聞かせる。



 昼。


 雨が、

落ち始める。


 予報より、

早い。



「……あ」


 若者が、

空を見る。



 水路。


 すでに、

水が多い。



 ヒカルは、

走った。



「……止める!」



 二人で、

水を切る。


 でも、

間に合わない。



 何列かの苗が、

水に沈んだ。



 雨が、

強くなる。



 若者は、

立ち尽くした。



「……すみません」



 声が、

震えている。



 ヒカルは、

苗を見る。


 胸が、

重い。



「……今日は」


「ここまで」



 それだけ、

言った。



 作業を、

終える。



 誰も、

責めなかった。


 でも、

空気は重い。



 夜。


 ログ。


「今日は、

任せた」



「……間に合わなかった」



「止めるべき

だった?」



「でも」



「止めたら」


「任せた意味が

なくなる」



「……教えるって」


「難しい」



「明日」


「どう、

向き合うか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ