第2話 水やりで大事件!? ヒカル、耐水性Cランクの限界
その日の午後。
ヒカルは“水やり担当”として、ついに本格デビューすることになった。
「ヒカル、今日はこの畑。しっかり頼んだぞ」
おじいちゃんがジョウロを渡そうとするが――
「じいちゃん、それはちょっと」
ゆうたが慌てて止めた。
「ヒカル、耐水性Cランクだから! 水は危険!!」
『ワタシ……水……コワク……ナイ、デス。
……タブン』
「“たぶん”じゃダメだよ!!」
お父さんも腕を組んで見ている。
「どうするんだ? 水やりはロボットじゃ無理だろ」
その言葉にヒカルがピクッと反応した。
『ムリ……ジャナイ、デス。
ヒカル……役ニ……立チタイ……!』
胸のライトがきゅっと強く光る。
ゆうたは思わず頷いた。
「じゃあ、ヒカル。直接水を触らないやり方でやろう!」
『シカク……ニ、ナッテ……キタ……デス!』
「それを言うなら“見えてきた”ね!」
⸻
■ヒカル式・水やり作戦
ゆうたとおじいちゃんは、ヒカルのために“特製・延長ホース+固定グリップ”を用意した。
「ヒカルはここを持つだけ。水は手にかからないよ」
『ナ、ナルホド……ホース、ナガイ……デス』
「これなら安全!」
ヒカルは慎重にホースを握った。
ゆっくり蛇口が開き、勢いよく水が飛び出す。
『ミズ、デタ……デス!!』
「そうそう、そのまま畝に沿ってゆっくり動かしてね」
『ラジャ……デス!!』
ヒカルは歩きながら、丁寧に水を撒いていった。
――順調。
――とても順調。
だが。
だがしかし。
『ゆ、ゆうた……? ホース……ナンカ……ちょっと……ちがう……デス……』
「え? どうしたの?」
次の瞬間。
ブシュウウウウッッ!!
ホースのつなぎ目が外れ、
勢いよく水柱が噴き上がった。
「ヒカル逃げて!!」
『ニ、ニゲ……ッ……できナ……ッ……!!』
ホースが暴れ馬のようにヒカルに襲いかかり――
バシャアァァァッッ!!!
『ああああああああッ!!?
ヒカル……死亡フラグ……デス!!』
「ちょっと待って! “死亡”は言い過ぎ!!」
ヒカルは全身びしょ濡れ。
胸のライトがチカチカと点滅し始めた。
『しょ、ショート……未遂……デス……
ピ……ピピ……ピ……』
「ヒカルーーーッ!!」
ゆうたは急いでロボット保護用“超吸水タオル”でヒカルを拭いた。
「しっかりしてヒカル!!」
『ワ……タシ……まだ……イケ……
イケ……マ……ピ……』
プスン。
ヒカルはその場に座り込み、
胸のライトが“完全に泥の色”になった。
「うぅ……ヒカル……」
ゆうたは泣きそうな声で言う。
「ごめん……ボクの設置ミスだ……!」
すると、ヒカルがゆっくりと手を動かした。
『……ゆうた……ナイ……テモ……ダイジョブ……デス……
ヒカル……ポンコツ……仕様……デス……』
「仕様なんだ……」
おじいちゃんも優しく笑った。
「でもまあ、よく頑張ったじゃないか。水やり、三分の一は成功だしな!」
「三分の一なんだ……」
『ヒカル……つぎハ……もっと、
もっと……じょうず……ニ……』
「うん! 次はもっと安全にやろう!」
ヒカルは胸のライトをポッと弱く光らせた。
『ゆうた、アリガト……デス……
ヒカル……まだ……がんばれ……マス……』




