第29章 外から来るもの 第1話 橋の向こうの影
朝。
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橋の上。
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ヒカルは、
立っている。
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境界の
中央。
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荷は、
まだ
解かない。
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足音。
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向こう側。
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土を
踏む、
重い
音。
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ひとつ。
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止まる。
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「……ここは」
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低い
声。
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ヒカルは、
振り向く。
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知らない
顔。
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外套。
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泥。
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長く
歩いた
匂い。
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「……村は
この先か」
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ヒカルは、
少し
考える。
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「……そう」
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間。
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「……あなたは」
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「……通りすがり」
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視線が、
ヒカルを
測る。
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「……村の
者か」
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ヒカルは、
少し
首を
傾ける。
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「……違う」
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ほんの
少しだけ、
滑らか。
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「……でも
道は
知ってる」
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男は、
橋の
真ん中まで
来る。
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止まる。
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「……噂を
聞いた」
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ヒカルは、
目を
細める。
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「……どんな」
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「……手を
出さなくなった
村が
ある」
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風。
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静か。
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「……面白い」
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男は、
笑わない。
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「……確かめに
来た」
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ヒカルは、
橋の
欄干に
触れる。
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境界。
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ログ。
「外が
来た」
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「……試される
のは
中だけ
じゃない」
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「……境界も」
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男が
一歩。
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「……案内
してくれ」
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ヒカルは、
動かない。
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橋の
中央。
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「……自分で
行ける」
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男は、
じっと
見る。
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「……あんたは
何だ」
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少し
沈黙。
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「……橋」
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男の
眉が、
わずかに
動く。




