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白魔道士の行方  作者: Siro
2/3

Part1 旅する兄妹

Episode1 冒険の始まり


「これが弟異玉の戦いか、興味深い話だ」


僕は麻風(まふう)白魔(はくま)

世界を救ったとされる《伝説の白魔道士》を探すただの平凡な旅人だ。

今は宿に備えられている図書館で見つけた資料書を閲覧している。


「もうこんな時間か。真名、起きろ」

「ん......せんせぇ、まだ眠いですぅ.......」


彼女は江藤(えとう)真名(まな)

僕を先生と呼ぶ青い髪の少女で、血のつながりはないが一応僕の可愛い妹だ。



「だめだ起きろ。もう9時だぞ」

「だって寝たのは……夜中の4時ですよ〜まだ5時間しかぁ〜」

「仕方ないだろ、安くて泊まれるような宿がなかったんだから。今、手持ちの金が少ないんだ」

「んぅ、それなら魔物を倒しましょうよ!事前にクエストは承っているんですから」

「いやだよ。魔物ってさ……怖いじゃん?殺されるかもしれないんだし、触らぬ神に祟りなしってね」

「先生はスキルが使えるんですから、少しは立ち向かおうとしてくださいよ」

「僕が使えるスキルは速度強化の加速だぞ?」

「そうですけど、先生の賢さならどうにかできると思います!!」

「まぁ、そんな話は置いといて、とりあえず準備しろ。そろそろ宿を出るからな」

「……はーい」


僕らが白魔道士を探す旅をする理由は、突然と現れた黒魔道士と対等に渡り合う彼ならば

また、平和をもたらしてくれるかもしれないという思いからだ。

真名は少し嫌そうにすることが多いが、それでもついてきてくれるんだ。


「先生負ぶってください!」

「はぁ?いやだよ!!」

「歩く疲れましたぁ!」

「いつもと変わらねぇよ!!」

「寝不足なんですぅ!」

「はぁ、しょうがねぇな」

「流石せんせー優しー!!」

「はいはい」

「んふふ〜」

(ドゴゴゴゴゴ……!)

「地震!!」

「せんせー……!」

「やばいっ....!!」


僕はとっさに、真名を前にかがませその上から包み込むように覆いかぶさった。


「先生、なにして!?」

「僕はッ、大丈夫だ……!.」

「大丈夫じゃないですよ!」


周りの建物は振動に耐えきれず倒壊している。

僕らは、瓦礫の下に居る。真名の声は震えている。

それは僕の頭から、腕から、腹部から流血しているからだろうか。


「先生、なんで……?」

「お前を守る、絶対に死なせない……!」

「せんせぇ!!」


僕は、血がつながってなかろうと

真名の兄なんだ。そして、恩を返さなければならないんだ……!

ダメだ、力が抜けていく。眼の前がぼやけていく。


「あれは、なんだ……?」

「えっ……?」


意識が遠のいていく中、宙を見上げると黒い服装の人影がこちらを見て

不敵な笑みを浮かべていた。

もう完全に体に力が入らない。もうすぐ死ぬんだろうか。

やっぱり、死ぬのは怖いな……。


僕は


「先生、先生!!!!!」


という真名の悲痛な叫びを最後に、完全に意識を失った。



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