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祝日組寮のアルカナ  作者: よつば ねねね
3章幕間 「惚れられ薬パニック」
37/67

37話「モテモテ遊助」

夏組から帰って来た日の午後、

「魔法獣」の授業で、僕はマリー先輩を見かける。


「マリー先輩!授業一緒だったんですね」


「この授業人多いし気付かなかったわ

 その後どう?何かティナにめちゃくちゃ言い寄られてたじゃないあんた

 アシュリーに嫉妬されなかった?」


「ご…誤解ですよ!僕とアシュリーは友達ですし

 ティナ先輩はお礼してくれただけですから!」


「はいはい、いいわね楽しそうで

 私は馴れ合いとか嫌いだし話しかけないで…って言いたいとこだけど

 この後時間あるかしら?ちょっと面白い話があるのよ

 付き合いなさい」


彼女はそれだけ言うと僕が何度声を掛けても反応してくれなくなった。

本当に強引な人だなあ…


授業が終わると、僕は裏庭に呼び出される。


「あの、話って何ですか?」


「岸辺、あんた都市伝説って好き?」


「都市伝説…?」


「人魚事件からその手の噂にハマっちゃって!

 調べたら出るわ出るわ!その手の類の話!

 私、あんたとビーチで鉢合わせた時思ったの

 岸辺ならこういうの一緒に調べてくれるって!

 ねえどう?私と一緒に都市伝説の調査、してみない!?」


「楽しそうではありますけど…僕先生の作った部活の活動があって」


「呆れた、何そのいい子ちゃんみたいな返事!手伝ってくれたらいい物もあげるのになあ」


「いい物…?」


「じゃじゃーん、惚れられ薬!」


僕は思わず唾をごくりと飲む。


「ほ、惚れられ薬…!?」


「これを飲むだけであら不思議、何か女子にモテちゃう!

 効力は1日だけだけど…

 あんたの周り可愛い女子多いじゃなーい?

 気になってる子の一人や二人いるんでしょ?そうなんでしょー?

 ほらほら、いらないの?」


「マリー先輩…僕はアルカナですよ?

 そんな男ならそれで釣っとけみたいなアイテムに

 反応するわけないじゃないですか」


「手が伸びてんのよエロガキ」


「わかった白状します!欲しい!それ凄く欲しい!

 前払いですか!?そうですよね!?

 手伝うから下さい!おねがーい!」


「契約書にサインが先よ、欲しかったらさっさと拇印」


「はい!やりました!」


「よろしい!ほらあげる

 私の前では使わないでよね」


「はい!わかりました!じゃあ早速使ってきていいですか!?」


「いいわよ、ハウス!」


「わん!」


僕は元気に鳴くと女子の沢山いそうな広場へと走って行った。


「ふふ、面白い奴」


ーーー

「惚れさせ薬」を一番最初に使うのは…

やっぱりエリかなあ?


『遊助…大好きだよ』


にょほほほほほ!言われてえ~!

僕は嬉々として薬を飲み干す。

エリはどこかな?授業終わったばっかだし多分この辺をうろついて…


あ!いたいた!あの綺麗な黒髪はまさしくエリだ!


「おーい!エリ!」


僕が声をかけると彼女は手を振ってくれる。


「エリ!僕を見て何か思う事はないかい!?」


「え?うーん…あれ…なんかかっこよくなったような…」


彼女はそう言って少しふらつくと、

僕の腕にしがみついた。


「遊助…このまま一緒にかえろ?」


きたー!効果絶大じゃないかマリー先輩!

男たちは僕を羨ましそうに眺めている。

この優越感、最高!


僕は祝日組寮に帰ると、クレアを見つける

クレアもかなり可愛いよなあ…一応僕の婚約者だしちょっと惚れてもらってもバチはあたるまい!


「クレア!ただいま!僕に対して何か感想はある!?」


彼女は少し目を丸くした後


「遊助様…!なんだか凛々しくなられましたか…?」


そう言って僕にハグをする。

ひゅー!いい匂いする!これが王族の香りかあ〜!


「クレア!普段そんな事しないくせに何やってんの!?」


「エリこそ人の婚約者にベタベタして何のつもりですか!」


「もー!2人とも僕を取り合わないでよ!

 仲良くお茶でもしようぜ?」


ラウンジにティーセットとお菓子を用意すると、2人は僕を挟んで座る。


「遊助、あーん!」


「あーん」


「遊助様、私のクッキーも食べて欲しいです」


「あはは、順番ね順番!」


楽しいー!なんだこれ!

もうずっとこのままでいたい!


しかし、女子に囲まれるとこんなに気分がいいのか…

もっと人数を増やしたいな


ピロン



携帯の通知を見ると


【岸辺君、今授業が終わったんですが】


【どこにいますか?探してます】


【絶対透明になってついてきたりしないのでどこにいるかおしえて】


【良ければ岸辺君の時間割が知りたいです】


【あれ?岸辺君?もしもし】


とアシュリーからメッセージが来ていた。

あの子も見た目はめちゃくちゃ可愛いんだけど…何だろう

色恋とかに発展すると取り返しのつかない事になりそうな気がする…

僕恋愛経験あんまりないのに何故かやばいって脳みそが訴えてくるんだよな


でも…間違いなく…可愛くは…あるし…

よし!呼んじゃおう!


「遊助様!私というものがありながら別の女の子と連絡を取るなんてひどいです!エリもそう思いますよね!」


「遊助って不特定多数の女の子に手を出さないと気が済まないタイプなんだね」


うっ…二人の視線が痛い!


「ほら!人数は多い方が楽しいじゃん!?彼女でも同じことだよ!

 にぎやかな方が二人もいいかなと思って!」


「それクズの理論だよね」


「でも…遊助様に嫌われるくらいなら私!止めません…!

 浮気相手とも仲良くするから私の所に帰ってきてくださいね!」


「クレア何言ってんの?遊助!浮気なんか絶対ダメ!

 私がいれば十分でしょ!?」


と、口では言うけど魅了は使わないのがエリらしい。

というかこれ、何気にその人の恋愛傾向とかも解っちゃうな

クレアは盲目なタイプでエリは独占欲強いタイプか…


「岸辺君…来ちゃった

 寮に呼んでくれるなんて思いませんでした!

 まさかお部屋に招待してくれるんですか…?」


アシュリーがそう言って寮に入って来ると、僕を見て暫く固まる。


「あれ…なんか岸辺君が…!

 すっごく可愛くなっちゃった!?あれあれえ!?」


彼女は僕に走る寄ると勢いよく抱き付いた。


「きしべきゅん!大好き―!」


キャラ崩壊がすごい!

この子彼氏とかに赤ちゃん言葉で話すタイプだ!


「私学生だから絶対に授業に出なくちゃいけなくて…

 24時間きしべきゅんを観察できないんでしゅ…

 きしべきゅんは異性関係に大変だらしないので

 ママが全部管理してあげますからねー?」


アシュリーはそう言って僕の頭を撫でた。


「ま…ママ…とは…?」


「今日から私以外とのインモラルは全部禁止です!

 なのでルハートさんと女王陛下は今始末しちゃいまちゅね」


「始末!?ダメダメ何言ってんの!」


「なんかこの子…地雷っぽい…」


「怒りより先に恐怖心が湧いて来るんですが

 アシュリー様って浮気相手に選んで大丈夫な方なんですか?」


いけない!彼女たちが冷静になり始めてしまっている!


「アシュリー!解るよな!?僕の大事な人はアシュリーの大事な人だから他の彼女たちとも仲良くするんだぞ!」


「ん…?あー…まあ、そうなのかな…そうかも…?

 わかった!仲良くする!」


自我が不安定な子で助かった…!


「そういえばティナ寮長がきしべきゅんの事探してまちたよ?

 晩御飯夏組で食べて欲しいんだって」


「えー!?行く行くー!」


ティナ先輩の美しさが僕の物に…!?

うひょー!テンション上がるー!


僕が立ち上がろうとするとアシュリーさんが僕の首から手を放さず

重みで思わず膝をつく。


「ちょっとアシュリー…?降りてくれない?」


「抱っこ」


「いや君自認ママなんでしょ!?抱っこする側なんじゃなくって!?」


「じゃあ何!?ママは甘えちゃダメだっていうんですかきしべきゅん!?

 酷いよ!ここまで育ててあげた恩を忘れたの!?」


「一日も育てて貰った記憶ねーよ!」


やっぱりアシュリーを引き込んだのは間違いだったかもしれない…

そう思いながらもこれも責任と心を決めると彼女をお姫様抱っこで持ち上げる。


すると彼女の髪の匂いがふわりと香り、ももの感触が左手に触れた。


いや、間違いじゃないな!ハーレム最高!

僕はアシュリーを抱えながら嬉々として寮を出ようとしたが

偶然帰宅してきたナラクにはち合ってしまう


「は!?お前何やって…!」


ナラクは信じられないものを見たかのような顔を一瞬すると、


「あれ何でだろう…遊助が白猫半獣人の金髪美少女に見える…!?

 耳だけじゃなくってちゃんとマズルがあるタイプなのがポイント高い!」


「え」


「遊助!いや遊助ちゃん…?

 何か頭バグって来たけど結婚を前提にお付き合いして下さい!」


うっそだろ!男にも効力あるのかよ!?マリー先輩隠してたな…!

はっ!もしかしてエリと一緒に歩いてた時男子たちが見てたのって…僕!?


「ちょっと待って僕男だから!知ってるよね!?」


「可愛ければ俺…男の娘でも全然ありだから!

 むしろ獣美少女で男の娘って性癖盛りに盛ってて最高だよ」


「知りたくなかった!」


「俺普通の男子生徒の100倍は金持ってるから

 欲しい服何でも買ってやるぜ?」


うわあ…こいつ貢ぐタイプだ…


「え、何々どうなってるの!?白猫の美少女獣人…?」


ああ…まとも寄りなエリが混沌を極めた状況に置かれてかなり冷静になってきちゃってる!一日も持たないんじゃないかこれ!?


「えー!見たい!白猫獣人見たーい!どこ!?何処にいるのナラク!」


異種族オタクで良かった!


「もうナラクも付いてきていいや!皆ティナ寮長のとこ行くよ!」


「遊助様ー!あはは!捕まえてみて下さい!どっちが先に夏組寮に着けるか競争です!」


「僕人ひとり抱えてるんだけど!?」


「それ楽しそう!私もやるー!」


「あっこらエリ!」


「遊助大丈夫か?もしあれだったらそれ持ってやるぜ?」


「荷物みたいな感覚で言わないでくれない!?」


でも確かに彼女を抱えたままじゃクレアとエリを見失ってしまう!


「ナラク頼んだ!」


僕はアシュリーを彼に預けるとエリとクレアを全速力で追いかけた。


「モスコミュール君、抱っこされてたら眠くなってきたのでご本を読んで頂きたいのですが」


「凛々しい顔で何言ってんだあんた」

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