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祝日組寮のアルカナ  作者: よつば ねねね
3章「夏組親睦会」
35/67

35話「人魚の正体」

ビーチに生徒が集まりだす。

やって来たのは

ナラクにマティーニ先輩、ティナ先輩、そして僕とレイだ

シーザー先輩は起きれなかったのかエリとマリー先輩の姿はなかった。


そこに最後登場したのは


「遅くなりました」


アシュリーだった。

全員が揃った所で僕は早速切り出す。


「皆に聞いてほしい事がある、人魚騒動の元凶…

 人魚の正体は…

 ティナ先輩、あなたですね?」


「!」


「ティナが…!?」


「あなたは人魚騒動の最中何度も海に行っていたのに

 人魚に一度も遭遇していないと言った

 他の生徒は大半が『目を覚ます前人魚を見た』と言っているのに…

 それはあなたが人魚本人だからじゃないですか?」


「…そう…私が…人魚の正体よ」


ティナ先輩は俯きながら答える。


「そんな…!ティナが生徒を溺れさせるなんてそんな事するはずない!」


「そう、ティナ寮長は生徒を『溺れさせたわけじゃない』んです」


「…?どういうこと?」


「人魚事件の犯人は…人魚じゃないんです」


僕がそこまで言うと、レイが悲しい顔をしながら


「…皆…ごめんね、もうこんな白々しい反応は辞める

 私…全部知ってるんだ」


と切り出す。


「知ってるって、犯人をか?」


ナラクが訪ねると


「この事件の犯人は…アシュリーなんだよね?」


レイはアシュリーを真っ直ぐ見ながらそう言い放った。


「え!?アシュリーが…!?」


ティナ先輩は口を手で覆い動揺している。


「何度かアシュリーが透明になってビーチに向かうのを見たことがあったの

 きっとその能力で生徒たちを…

 お願いアシュリー!本当の事を言って!?

 あなたがやったんでしょ…?」


アシュリーは目を閉じて深く息を吸い、


「はい、私は…」


そこまで言い切ると再び目を開けて


「やっておりません

 犯人は他にいます」


と、堂々と言い切った。

レイは計算が狂ったかのように動揺し始める。


「皆様!今度は私からプレゼンがございます

 レイ様は本日、岸辺君に

 『自分こそが人魚だ』とカミングアウトを致しました


 しかし長年メイドをやって来た私から言わせて頂きますと

 そのような事実は一切ございません


 昨夜、彼女の部屋から見覚えのない瓶が出てきましたので

 冬組で調べて頂いた結果、変身薬だと判明したそうです

 …レイ様、何故変身薬まで使って岸辺君を騙そうとしたんですか?」


レイはたじろいで頭を抱える。


「何…言ってるの…?アシュリー…

 あなたが…犯人なんでしょ…?」


「ホールにいたゴーレム同好会からも供述取れたぜ?

 俺たちの捜査を邪魔して来いってレイ副寮長に言われたってさ

 何で邪魔する必要なんてあったんだよ?」


「あ…あ…」


「それはきっと

 レイ様が犯人だからでございます」


アシュリーが言い切ると、レイの背中が盛り上がり、

大きな翼が生えた。


「レイ…!あなた、その姿は…!」


ティナ寮長が動揺していると、レイは空高く舞い上がる。


「アシュリー!アシュリーアシュリーアシュリー!

 ティナの前でよくも恥をかかせてくれたな!

 今までの恩を忘れたわけ!?」


レイが声を荒げる。

アシュリーは毅然とした態度で彼女を見上げると


「ご恩を忘れた日は一日たりともございません」


と返した。


「もういい!全員沈め!」


レイはそう言って歌い始める。

僕らの足は海に向いたが…


「マリスト!」


すぐに正気に戻る事が出来た。


「な…何!?なんで正気に戻ったの!?」


「それは…クレアちゃんがマリストをかけてくれたからだが」


「クレア王女殿下…?どこにいるのよそんなの!」


「見えてねーの?」


「さっき欲を切るって嘘ついてクレアとレイの縁を切ったんだよ!

 アシュリーがクレアを透明化してたから気づかなかったんだろうけど!」


「私にはレイ様のお声が届いておりませんので洗脳も効きません!」


「この…!遊助!何で私が犯人だってわかったの!?

 アシュリーがチクったから!?」


「いや、彼女は最後の最後までレイを庇う事を考えてたよ

 僕が君を怪しいと思ったのは…悪い人魚の話を聞いた時だ


 犯人は他の生徒に一切姿を見せて無かったし

 生徒の証言では、人魚は一貫して顔を見られることを嫌がっているようだったのに

 何で君の時だけは逆に近づいて顔を見せる真似をしたんだろう?


 人魚相手なら溺れることもないだろうから、

 絶対に顔を覚えられちゃまずい筈なのに…


 まあ最後まで自信無かったから欲を切るまでは出来なかったんだけどね」


「そんな事で…!?」


「アシュリーから犯人は自分だって聞いた時も違和感があった

 透明人間に押し寄せられて海に入ったっていうのは

 僕が溺れた時の感覚とも違ったしね」


「うそだ…嘘だ嘘だ!こんなの…!

 !そうだ!クレア王妃の魔力が切れるまで歌い続けたらいいんだ!

 マリストなんて高度な魔法、大勢にかけてたらもたないよねえ!?」


「はあ!?おい!やけになるなって!」


レイはまた歌い始める。

まずいぞ、そんな事実行されたら本当に…!


クレアのマリストは次第に追いつかなくなり、僕の足は再び海に向いた。


「皆!お待たせ!間に合ったわよ!」


そこに、ジンベエザメのような形をしたマリンボードに乗ったエリとマリー先輩が何かを投げる。

その「何か」とは、悲鳴を上げるシーザー先輩だった。


「マリー!急に人を放り投げるな!危ないだろ!」


「はいはい、ごめーん」


「そんな…うわあああああ!」


シーザー先輩が跳ね返した魔法の影響で、

レイはバランスを崩し海へまっすぐと落ちていった。


「ちょっと…僕の洗脳も解いて!ごぼっ」


皆レイに気を取られ、洗脳されたままの僕を忘れているようだ

海へまっすぐ進んでいた僕は、とうとうそのまま波に飲まれたのだった。

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