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祝日組寮のアルカナ  作者: よつば ねねね
3章「夏組親睦会」
34/67

34話「追い詰められた人魚」

「くそ!試せないから強力なのは作れないし…

 かといって弱いと起きない可能性がある

 どうしたもんかしら」


マリー先輩はキッチンで薬を調合していたが、上手くいかず頭を抱えていた。


「私、全然試しに飲みますよ!」


「だめ!起きてる人間が強すぎる気付け薬なんか飲んだら逆に気絶するわ!

 あー!いい実験台があればいいのに!」


彼女がそう言って頭を掻きむしっていると、一人の女生徒が私たちに近寄って来る。


「マリー先輩、ルハートさん!その薬は完成しないよ!

 だって私があなた達を仕留めるから!」


まずい…!多分水着集団の中にいた人だ!

ここにいるのは私とマリー寮長だけ!

寮長とは言っても戦えるとは限らないし…


「はーん、あんた私に挑むとはいい度胸ね?寮長に勝てると思ってんの?」


「ダンス―ン!」


「先輩!危ない!」


私は彼女の魔法に被弾すると、

体が勝手に変な踊りを踊り始めた!


「はえ!?な、何これ!」


「あはははは!いい気味ねルハートさん!

 あなたがこーんな恥ずかしい踊りしてるって解ったら

 モテなくなるんじゃなーい?

 私の固有魔法は魔法に当たった人間を踊り狂わせる能力なの!

 魔法を式に直すとか言う能力じゃあ対策できないでしょう?

 さあ!マリー寮長、踊りなさい!」


彼女が魔法を放つと、マリー先輩はふっと笑みを浮かべる

きっと対策があるんだ!

彼女の奥の手的な…!


「シーザーバリア!」


せんぱーーーーい!?


彼女はおもむろに眠ったシーザー先輩を魔法で持ち上げると、

ダンスの魔法を器用に跳ね返した。

いやすごい!すごいんだけど…思ってたのと違う!


魔法は術者に跳ね返り、女子生徒は踊り始める。


「な、何これ!助けて!」


「助けてやってもいいけどまずはルハートを元に戻しなさい」


「わかった!わかったから!これでいいんでしょ!」


あ、動けるようになった…


「これでもう許してお願い!自分にかかった魔法はどうやって解くのかわからないのよ!」


「ふん、あんたの魔法を術式に直したわ

 多分こうすれば止まる」


マリー先輩は彼女に何かの魔法をかけると、彼女の動きはピタッと止まる。


「そして止まったまま身動きが取れなくなるでしょうね」


怖っ…!


「丁度薬を試せるいい被検体が欲しかったのー…

 あんた、私に挑んだからには…

 わかってるんでしょうね?」


「やめ…!やめ…!ぎゃああああああああ1」


彼女の悲鳴は、食堂にまで響き渡った…


ーーーーーーーーー クレア視点


遊助様!遊助様…!どこですか!

私は一心不乱に走り回り彼を探す

確かに南棟の方向に彼は走って行ったはず…!


「うわ!クレア!?丁度探しに行こうと思ってたとこなんだけど…!

 どうしたの!?」


「ホールでナラク様とマティーニ様が戦っておられるのです!

 遊助様も加勢を…!

 …あれ?遊助様お一人ですか?」


「ううん、アシュリーもいるよ」


「え…え?誰もいないように見えますが…」


「クレア!今から君にとっても大事な任務を与える!」


「はい!?何ですか急に!」


「この事件を決着に導く大事な大事なミッションだ!

 やってくれる?」


「…わ、私でお役に立てるなら…!」


「クレアってマリスト使えるよね?」


「はい!使えますけど…」


「よし、じゃああっちに隠れてて!

 事件もそろそろ大詰めだよ…!」


ーーーーーーー


南棟の図書室に、レイが息を切らして入って来る。

遊助は本を閉じると、待っていたとでも言いたげに彼女に笑いかけた。


「はあ、はあ…遊助、アシュリーが見つかったって本当!?

 急にいなくなるんだもん、びっくりしちゃって…」


「ごめん、見つけたと思ったらまたどこかに行っちゃったんだ

 透明になる能力って厄介だね」


「そうだね…あの、遊助?

 私が人魚だから…きっとまだ疑ってるよね

 私…本当に何もしてないの!

 人魚の能力を使えない様に欲を切ってくれたってかまわないから

 …君にだけは…信じて欲しい」


「そうだね、疑ってはいないけど一応君の欲を切っておこうかな

 …怖いだろ?目、閉じれるかい?」


遊助が言うと、レイは目を閉じる。

何かを切られるような感覚が走ると、彼女は目を開けた。


「何か不思議…切られるような感覚はあったけど痛くなかった!」


「レイ、約束して欲しい事があるんだ」


「約束して欲しい事?」


「悪い人魚の正体が誰でも…事実を受け入れて欲しい」


「…わかった」


「今から皆でビーチに集まるんだ

 …そこで犯人を明かす

 覚悟はいいよね?」


「うん!勿論!…ねえ、遊助」


「何?」


「私…遊助みたいな友達がもっと早くに欲しかったなって」


「ありがとう、嬉しいよ」


遊助はそう言って例の手を引くと、ビーチへと足を運んだ。

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― 新着の感想 ―
シーザーバリア笑った 完全にギャグ描写だけど本人の意識無しで発動する反射の能力って無茶苦茶チートなのでは…!?
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