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祝日組寮のアルカナ  作者: よつば ねねね
3章「夏組親睦会」
30/67

30話「ティナ寮長」

「わ、私に何か…」


ティナ寮長が怯えた様子で言う。

僕が最後に話を聞きたい人物こそ、彼女だった。


「寮長、あなたの話はまだ聞いていないなと思いまして」


「私はこの件に関しては何も存じ上げません!」


「そうだよ遊助、ティナは関係ない!何も知らないからこそ君たちに調査をお願いしたんでしょ?」


「本当に?本当にそうなんですか?」


「え…」


「これだけ噂になっていて寮長の貴方が1度も調査に行かなかったんですか?

実は何度かあのビーチを訪れたのでは…

そして何かバツの悪い事に気付いて自ら解決する事を避けた…とかどうです?」


「遊助…!君…!」


「やめてレイ!い、いいの!

…正直に言うわ」


「え?」


「…確かに調査には行った事がある

けどその…私も何者かに海に沈められて

気づいたら沖に打ち上がっていたのよ

誰が何のためにこんな事をしてるのかは解らないし

とても不気味に思っていた所に貴方達が名乗りを上げて下さったの…

無力でごめんなさい」


「溺れた時何か見ませんでした?」


「え…いえ何も」


「本当に何も見てないのですね?」


「は、はい」


「解った!答えてくれてありがとう!ティナ先輩!」


寮長室から出ると、レイから神妙な面持ちで


「遊助、話したい事があるの」


と切り出された。


連れてこられたのはレイの部屋の浴室、

アシュリーさんは彼女の様子を心配そうに傍観している。


彼女はシャワーのレバーを捻ると、

自分の顔を豪快に濡らす。


すると彼女の顔はみるみるうちに変化していき

鱗の浮いた、あの時見た人魚と似た顔になった。


「遊助…夏組の人魚は私なの」


レイは真っ直ぐ僕を見て言う。

後ろで見ていたアシュリーさんは驚きで声が出ないのか、パクパクと口を開閉している。


「バレれば命を狙われるかもしれなかったからずっと言えなかった…!

 でもティナまで巻き込まれるくらいなら言うよ!私が人魚の正体なの!

 だけど…信じて、私生徒を襲ったりしてない

 あの日、遊助を助けたのも私!

 あのビーチにはもう一人、悪い人魚がいるんだよ!」


「…君は悪い人魚に遭遇した事、ある?」


「一度だけ…歌声を聞いてしまって海に飛び込んだことがあったの

 悪い人魚は…私に近寄って不気味な笑みを浮かべてた…

 きっと愉快犯なんだよ!人が溺れる様をみて喜んでるんだ!」


「なるほどね!話してくれてありがとう!勿論君の話を信じるよ

 髪、乾かして来たら?そのままじゃ不便だろ?」


「ありがとう!」


レイは僕とアシュリーさんを残して、浴室から洗面所に移る。


「あ…の…きし…べ…くん」


顔を青くしながら、出てるかどうかも解らないくらいの声でアシュリーさんが何かを伝えようとしている。

しかし、満足に声が出るような状態でも無さそうだ、様子がおかしい…


「アシュリー!乾かすの手伝って!」


レイの声にアシュリーさんはびくっと体をこわばらせると、

下を向きながら急いで洗面所に向かう。


妙な違和感を感じていると、僕の携帯が鳴る。

エリからだ


「もしもし、エリ?どうしたの?」


「遊助!大変なの!

 シーザー先輩が眠っちゃった!」


「ええ!?」


「今ホールにいるの!すぐに来て!」


犯人の仕業か

恐らくは彼の能力を警戒して…


「やってくれるじゃないか」

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