幼い彼女の話
※前回に続き頭空っぽでお読みください
最初に彼女の話をしよう。
彼女はとある貴族の家で仲がとても良い父と母、仲の良い兄2人の末っ子として産まれた。兄2人とは10歳以上歳が離れており、とても可愛がられていた。
可愛がられていたのだが…
彼女は家族全員と似ていなかった。それが悪いことかと言われると分からないが、彼女はとても可愛らしく、愛らしく、目に入れても痛くないと家族全員が思うほどであった。
それに比べ彼女以外は皆
「氷の○○」と異名が着くもの達で皆クールビューティと言うのが正しかった。ツリ目、滅多に笑わない、おまけに口下手。彼女のことが大好きでも上手く表現することが出来なかった。どうして彼女のような可愛い子供が生まれたのか最初はビビっていたものの、程なくして皆
「可愛いからいいか…」
という結論に達した。
少し彼女の話からそれてきてしまっている気がするのでまとめると、
彼女は愛されて育ちました。
もちろん家族以外の親戚や使用人…全て挙げたらキリがないほどに。
彼女が神様に祈った理由は簡単です。
幼かったから。
もう一度言おう。
幼かったから。
あえてもうひとつ言うのであれば彼女が読んだ本の影響でしょうか。その本では愛を伝え合う家族が当たり前のように描かれていたのです。
彼女は貴族だったので使用人達もあまり馴れ馴れしくできず、愛を伝えることが出来る家族や親戚は口下手。
彼女は自分が愛されていないと勘違いしたのです。
「愛されていないならいっその事…」
というのは幼い彼女が考えるには随分大人びた考え方に聞こえますが、彼女は結構おませさんだったのです。
そんなこんなで消えた彼女のことを周囲は慌てて探すことになるなんて彼女は想像もしなかったでしょう。
結局まだ彼女の視点になってないので次回から彼女の視点に入ります。
ー人物説明ー
彼女(いずれ名前書きます)
銀髪に藤色の瞳。末っ子。思い込み激しめ。
彼女の父
銀髪に赤い瞳。騎士団長。家族大好き。威厳を保つため眉間に皺を寄せていたら跡がついてしまった。
彼女の母
ブロンドの髪に青い瞳。家族大好き。表情筋が家族位で1番硬い。
彼女の兄(長男)
ブロンドの髪に水色の瞳。家族大好き。騎士団に若くして入り、父の背中を追う。妹が生まれた日、あまりにも妹が可愛くて固まった。
彼女の兄(次男)
ブロンドの髪に赤紫の瞳。家族大好き。体を動かすより本を読んでいたい派。兄より2個下。妹が肉眼じゃ見れないからメガネという噂がある。