1.人物紹介と前作「ピータバロ」のあらすじ
登場人物
【キース・L・ヴァンベルト】
19歳
溢れる才能を持っているが、急場でないとなかなか力を出そうとしない青年画家
超セレブなお嬢様ミルドレッドと相思相愛の関係だが、彼女へのプロポーズを躊躇している。
【パトラッシュ】
キースの相棒 頼りになる雄の中型犬 性格は快活で純朴
【ミルドレッド・カーンワイラー】
15歳 通称ミリー
名門美術学校、ピータバロ・シティ・アカデミアの生徒
超セレブなお嬢様 美術品に関しての蘊蓄は半端ない。キースからのプロポーズを切望している。
* *
【イヴァン・クロウ】
かつての連続殺人犯。恋人を殺されたことが切っ掛けとなり、村一つを皆殺しにし、絞首刑になる。
その後、魔王の力で”闇の眷属”となってこの世をさ迷うが、キースに大天使ミカエルの絵を描いてもらったことで、浄化され天に還ったはずの男。
【ティル・ネーナ】
過去にイヴァン・クロウが惨殺事件を起こした村の少女。イヴァンに咽喉を切られて死ぬが、魔王に蘇えさせられて彼と共に”闇の眷属”になる。イヴァンのことは、彼の恋人を殺めた村人に加担した負い目もあり、恨んではいない。
* * *
【これまでのあらすじ】
舞台は、イギリスの小都市”ピータバロ”にある名門美術学校”ピータバロ・シティ・アカデミア”
ここは、表向きはセレブなご子息、ご令嬢が通う名門校だが、裏では美術品窃盗や詐欺に手を染めている悪辣な場所だった。
学園を牛耳る”女教師レイチェル”から、経営権を奪いとり正常な学園に戻すべく、青年画家、キース・L・ヴァンベルトは、当時は小学生だったセレブなお嬢様、ミルドレッド の依頼で、シティ・アカデミアの専属画家になるのだが、そのミルドレッドは海外留学に出かけたきり戻ってこない。そうこうしているうちに、女教師レイチェルは有名画家の贋作を大量製造する”贋作村”に手を出し始める。
「俺は将来、ピータバロ・シティ・アカデミアと聖堂美術館を手にいれる男だ!」
キースは相棒犬のパトラッシュに気合を見せるのだが、ある日、目の前に突然、美少女に成長したミルドレッドと、キケンな香りがする中東の皇子が姿を現し、戸惑いを隠せない。
天使を待ち続ける連続殺人犯、イヴァン・クロウや、自分の肖像画を探してくれと懇願してくる幽霊の少女アンナ、チャイニーズマフィアの攻撃なども加わり、話はさらにややこしい展開になってゆく。
そして、キースの機転や、聖堂美術館通りの馴染みのカフェのマスター、キースの用心棒になったイヴァンの助けもあって、キースとミルドレッドは悪辣女教師のレイチェルからピータバロ・シティ・アカデミアを奪還することに成功する。
キースはようやく、ミルドレッドへの恋心に気づき、二人はこの1年後に婚約する。
この外伝は、迷い多いキースがミルドレッドに、プロポーズをするまでの葛藤の期間の物語。
キース(17歳の時)とミルドレッド(小学生時代)パトラッシュ
イヴァン・クロウ