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自由律俳句集「雨」ver.5
先生からの咳を無抵抗に浴びる六時間
見渡せば食えるものなくヨーグルト一つで済ます朝
ブレーカー落ちた音皮切りに声上げて始める犯人探し
切りのままの炬燵に入る
美形の蜜柑先食われ小粒蜜柑一つ残る
消し忘れ消えた照明スイッチ
ポストにある条件見事に合わぬ求人広告
物知り顔で陳腐な常識語る大人数人
寒い寒いと聞いて寒いと知る
初冬手袋使うが真冬慣れて使わず
一片の事実知るか怪しき人、数時間政治を語る
ロックもロマンもまことの意味知らず
個性を苦しんで出す
腹減りあるもの貪る
他人の訃報一情報に過ぎず