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自由律俳句集「雨」ver.3
軽い頭痛も長く続けば耐え難く
人の死をどう捉えても事実変わらず
名しか知らない天才の恩恵を当然が如く頂く我等
涙は一日経てばまた流せる
洗面台に置く前に辻褄合わせで一日運んだ茶飲み干す
テレビ出た偉い子供を仄かに恨む
珍しい雪を食う
流れてくる雪かきの映像をまさに他人事季節の物差しにする
異様に荒れた両掌を一時の事と流し見る
僅かに悪い体調を風の予兆と受け入れる。
側溝の蓋下に潜る三毛猫
バナナの皮毟り躊躇なく齧り頬張る
時刻む音と車の音だけ聞こえる家内
今宵食うもの母しか知らず
八つ当たりクラクション受けるが八つ当たりできず