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自由律俳句集「雨」ver.12
横断歩道すれ違う人の顔
艶増す雨降る街
雨の破片点々とある屋内階段
手すりにかけられたビニール傘
黒空に溶けた雨街灯で炙られて
指摘され激情する割り込み人、叫んで人に理解求めるか
アスファルトに咲く短い命の水溜り、荒れる水紋閉じ込めて
僅かに見える夜景堪能す
欠けた花火低い屋上
スリップ恐れつつ踏み込むペダル
人と共に冷気が入る
側溝の雨水重力に従って加速する
遅刻、教室の扉を開ける瞬間
目線上げ彷徨う手見れば掴める吊革
疲れたと寝起きに漏らす第一声




