わたし、絶対幸せを掴み取ります!
気がついたら以前ハマっていた乙女ゲームの世界に転生してた?しかも私、悪役令嬢?え?ちょっと待って?私、自由に恋愛したいんだけど?
幸いなことに、まだ物語は始まっていない。私頑張って自由な恋愛を掴み取ります!
生前バリバリのキャリアウーマンだった主人公(28歳)が、自由な恋愛をするために悪役令嬢回避のルートを目指すお話。
目が覚めた。
なんだか身体が窮屈な気がする。
起き上がると、そこには大きな鏡のドレッサーがあって、そこには何とも綺麗な美少女がいた。
いや、美幼女というべきか?
綺麗なプラチナブロンドのウェーブがかった長い髪の毛に、綺麗な緑色の瞳。もちろん全てのパーツが完璧な位置に配置され、睫毛も長くパッチリとした二重。
こんな美少女初めてみた。
思わずため息をついてしまう。
そうすると、まさかの鏡の中の美少女までため息をついた。
え?うそ?まって?私が手をあげればその美少女も手をあげる。同じ表情で。
まさかとは思う。こんなことないとは思うが。
これは転生か?転生なのか??
確かによく思い出してみれば、私の最後の記憶では電車が目の前まで迫ってきていたところで途絶えている。普通に考えれば、普通の人間はあそこまで電車が迫ってきていたら死ぬだろう。
あれ。つまり??
私はこの美少女に転生したということか?
28歳バリバリのキャリアウーマンだった私が、5歳くらいのこんな美少女に転生するなんて、悪い夢すぎる。
精神年齢28よ?こんな5歳の女の子に転生って酷くないですか神様。
まぁ神様を呪っても仕方ない。
とりあえずこの世界を把握するところから始めよう。
幸いにも私は前世の記憶持ちなのだから、
この世界で幸せになるための方法を前世で身につけた力で探し出してみせる。
周りを見渡せば、以前の世界とはかけ離れた世界だとわかる。部屋も広いし、なんだか中世のヨーロッパのような雰囲気だ。
でもこの部屋で寝てるということは、
私はもしかしてとんでもない金持ちなのでは?
この容姿に財力、うそだろ。最高か?天国か?
そんな馬鹿なことを考えていると、何人かが部屋に慌ただしく入ってきた。
ナイスミドルな男の人は、私と目が合うと途端に感激したような様子で私の手を握ってきた。
「ああ!!!マリア!!!気がついたのだね!」
え、マリアだれ?あ、私か?
その隣のお淑やかなこれまた美人が、私のことをぎゅうっと抱きしめた。
「私の可愛いマリア!!!!もう貴女が目覚めてくれないかと思って、私は!本当に起きてくれて嬉しいわ!!!!」
全く展開が読めない私だけど、この2人が私の両親であることに間違いはなさそうだ。
とりあえず適当に流そう。