奪われた声
「だから、ラポールで育ったその当時の奴らは警察嫌いとなった。栄一の罪を掘り下げて警察の行動を顧みなかったからだ。あいつだけだ。警察となって刑事になって反感を買っても関係ないという態度をしても痛くもかゆくないというのね。」
「園長は言っていたな。謝りにも来なかったというのは過ちを生んだということだな。立花は白石と仲が良かったが死んで活用できると思い立ったのだから。」
菊岡の手はせっせと箸を動かしていた。自分の作った料理を食べていた。うまいといわないのはうまい料理もまずくなってしまうのだろう。昔話をするといっても核心をついた話まではさせたくないのだろうから。探り探りというのだ。柴田の声を閉ざすことをよいともしていないと。
「俺たちはいじめられるのだろうから。過去も今もな。誰にも頼らないみたいな奴が生まれてもしょうがない。」
「そうだろうな。1つ聞きたいのがお前何処かで立花に会ったろ?見たといった人がいた。」
「あったよ。俺も久しぶりだったからな。立ち話をしたに過ぎないんだ。俺はこれ以上話すつもりはない。いくらその時、親しくなったからといってあいつも信用はしていない。仮面をかぶった正義は見飽きた。芝居も嘘くさい。誰も問わないのが正義か?隠すのが正義か?上の言うことを暗黙でうなずくだけが正義か?」
畳みかけるように言う姿は隠れた怒りなのだろう。今も政治家は居座りたいがために嘘をつかせている。全ての責任をやめた人間に押し付けて逃げようとしている。誰も意義を言わないのは安定もしない場所はないのだ。浮かれ切ったのは罰と罪があるものだ。行かれた政治は虎より恐ろしいとまで古くからの言い伝えを知らないのだろう。よく言った言葉だと知らぬ間に称賛している。菊岡は仲間を失っているのだ。みじめな人間と思ったのだろう。それは勝手な同情であるが同情をしないよりかはましではないか。
「うまい料理を食えなくなるのは嫌だね。」
「話を逸らすなよ。俺も同じ人間なんだ。警察を嫌っているんだ。戒めもない形ばかりの謝罪なんておかしいだろう。」
「正義を語るのは自由だと思っている。ただ、ゆがめられたものは嫌いだ。冤罪を生んでも笑っていられるのは端的な証拠に浮かれたのだとね。俺は確実なものがないと信用ならない。それを教えられたのは立花だ。警察学校で出会って正解だったよ。上の指示を裏切ってまでやる必要がある。」
「貴方は苦労するよ。信之もいい人生を送っただろうね。終わりのない旅か。」
彼の声は小さくこの世の終わりを感じされるものだった。あとの行動を知っているのだ。答えないのだろう。奪われたものは大きい。




