データの一存
一応住所が書かれてあった団体へと向かうことにした。一課長がいなくなったことで収集がつかなくなるのが困るということで浅間が未解決事件捜査課と一課を兼任することになった。それだけを告げて定位置へといったのだ。黒崎と柴田は団体のことを調べるよう言われていた。
「見立てた通りに架空団体じゃなかったですね。あるけど、制度としてやってたが重要ですよね。」
「そういってられるのは今のうちだ。どうせ、上の命令で重い腰を上げているだけだ。下手をすれば迷宮入りする。覚悟はあるか。」
柴田の真剣な声に遊びのようにやってられるばずがないのだ。黒崎は心を入れ替えて団体のビルへと入った。受付を担当している人は作業のようだった。警察手帳を見せて事情を話すとあたふたとしながら責任者を呼んできた。応接室に通している間に騒がしさがにじみ出ていた。
「すいません。突然のことで慌てて、申し訳ありません。」
「謝れることはないんです。ただワインを送るとかはあるんですか?」
「えぇ、あります。うちの団体を使っていただいているのはいいワインを送ってもらえるからとかで・・・。下手に安いワインは送れないのでコルク付きを選んでいるんです。」
黒崎はワインの写真を見せるとうなずいていた。送ったといった。
「作業をするときは忙しいので登録した人に前払いでお金を払って作業するかは自由なんです。それどころか点呼なんて時間がないのでしません。誰がいるのかなんてしないんです。お金を払ってしまうと個人情報など消してしまうんです。」
世の中の動きは厳しくなっているのだ。新聞に書かれていないこともあって大きく影響しないので怒りはないのだろう。
「そうですか。全くないのですか。」
「えぇ、残念ながら・・・。協力できずすいません。」
責任者は頭を下げた。声は人が死んでいることを知っている声だ。言い訳を言い出すわけじゃなく素直だった。責任者というのは大きなものを抱えているべきなのだ。逃げても逃げても追われること知っていのだろう。ビルから出るとすがすがしい空気が漂っていた。
「収穫なしか。思っていた通りだな。」
「思っていた通りってどういうことですか?」
黒崎の質問に彼は笑顔を向けた。
「ホシは簡単に見つからない。個人情報を消すほど用心する団体ほど扱いやすくなる。もし何かやっていたとしても忙しくて目をつけてなんて余裕はないだろう。それが狙いの可能性だってあるんだ。」
「つながってますか?」
「それは・・・わからない。」




