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泣いた烏  作者: 実嵐
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嘘の伝達式

黒崎と飲みに行った翌日、捜査一課から間借りされた部屋へといった。沈んだ声を出すのも嫌になるくらいだ。

「黒崎、あれから証拠は挙がったか?」

「無理です。相手は刑事です。それもホシの検挙率が一番高い人です。俺でも素人同然ですよ。」

「そうだよな。司法も役立たず、警察も同等。それじゃあ普通に冤罪を生まれるし、絶望されるのがいいと思っているのがおかしいんだ。それもわからないのに法を学ぶなんてふざけている。」

柴田は立花秀介の事件は都合ばかりの自殺という判断だったことが分かった。協力者はいずれわかると思った。恨みというのは簡単に消えない。その当時の新聞の記事以外に週刊誌を見ていると警察をたたいてた。ある程度わかっていたのだろう。口止め料の書かれた帳簿が書かれていたのだ。それでも否定したのは正義ぶりたかった組織を守るという子供じみた言い訳であるのだと。

「検察も協力するんですよね。今調べたら糞ですよ。ホシだとキチンと証拠を出さないと意味がないですよ。」

「それより警察の協力者というのは検討ついている。黒崎、偉そうに椅子に座っている勘違いした男を呼びつけろ。そうしないと殺されるかもしれない。なんせ、いくつもの事件を隠した張本人だってあいつは知っているだろうからな。人を信用できなくなったからこその才能だよ。」

パソコンを動かしていた黒崎は切ってから悪びれもしないふざけた人間をにらみつけた。理解をしていないのだろうと思った。都合の悪いことを忘れて新たな道を歩いているつもりだろうが、そんな道には崖があることを知らない。

「一課長だとかいう身分は口止めですか?いいですね。それで納得してのうのうと生きている。遺族から見たらふざけた奴だといわれるんです。」

「どんな態度をとったらそんなことが言えるんだ。態度をわきまえろ。」

部下が用意したコーヒーに手を付けた。まずそうに飲んだ。当然だ。ふざけた態度だといっておきながら足を組んでいるのだ。

「俺の仮説を聞いてもらえないなら黒崎と組むのはやめて俺1人でこの事件を解決するだけです。俺にとっては痛くもかゆくもないんですよ。」

「わかった聞いてやろう。俺もそこまで時間はない。」

「嘘を言うのは禁物ですよ。黒崎はあんたの行動を見ている。部下を失っても心を痛めない政治家のようになってしまえばいいんです。警察は人殺しになるかどうかのはざまでいるんですよ。」

彼の名が挙がった時、少しばかり驚いていたが、真顔に戻っていた。冤罪で死刑囚になったら責任なんて言葉を嘘でも吐き出す。忘れる。都合のいいばかりであった。作られた世界だと思い込んでいるのだ。

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