古き良き
「やっぱり、藤田製薬会社はブラックだとか騒いでいるね。評判悪かったのは確かなのかな。どうすればいいですか?すいません。ため口で言って、調子乗ってしまっていけないですよね。」
黒崎はさっきの言葉を我に返ったのか照れ臭そうに笑った。柴田にとってはうれしいことなのだ。後輩と対等にしているのがいいのだと以前言われていたことがあった。それは警察学校でにらみを利かせて言っていたのだ。その影響を受けたのだろう。
「構わないさ。内部情報を探るにはどうやったほうがいいのかな。ライバル会社に行ったら元社員くらいは見つかるだろうね。そこからいるだろうか・・・。特別研究員になった人が・・・。」
「なんですか。特別研究員っていうのは・・・。」
「先日ね。元社員が来て立花っていう同僚の話をしてくれたんだ。その時に上がったんだ。特別研究員になって噂が上がって取り調べを1週間受けるほどだ。守るべき人間に値しなかったということだ。重要なワードだと思ってしかないんだけど、経験者を出すとは思わないし噂程度だろうと覚悟はしているけどさ。」
渋い顔をして考えこむことしかしなかったら何も変わらないと思った。鑑識に行って爆弾の型を聞くことから始めないとならないと思った。黒崎が鑑識に行くのは2度目だ。柴田はあまり行くことはないが重要な価値をもっているのだと。経歴など戯言を気にするような人達ではない。それはあってみて思ったのだ。薄暗い廊下を2人で歩いていても靴の音しかかき鳴らしていなかった。突然、明るくなるのは慣れてはいないが・・・。
「あのー。」
「あぁ、たっちゃんと一緒に来てた・・・確か・・・。」
主任の女性は思い出そうと必死になっている。事件のことに時間と暗記を費やしているのは明らかだ。思い出そうと沈黙がもったいないので彼は告げた。
「黒崎です。」
「そう、捜査一課のね。それでどうしたの?」
「テロ事件の爆弾の型を教えてもらおうと思って。」
理解してすぐに紙を取り出した。捜査一課が一切聞かなかったのを疑問に思ったのだろう。小さなことを気にする人間は捜査一課から離れているのだ。動くものがいなかった証拠のようだ。
「古いものよ。一時期だけでネットで流れていた型なの。その当時、暴力団かテロリストの模倣犯かよくわからないけどのその時に流したものじゃないかなって。部下の話じゃ今も外国のサイト使って流れているからそこの影響かなって思っているの。捜査一課にたっちゃんがいなくなったら此処まで機能しないのかね。」
コーヒーカップをもって少しずつすすっていた。




