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泣いた烏  作者: 実嵐
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過去の弁償

ラポールに行った翌日は口実をつけて図書館に行った。羽田が多く語らなかったが、不愉快な気持ちになった事件だ。パソコンで調べてればある程度は上がってくる。捜査二課はひと段落したとしてあまり大きな事件にかかわっていないのだ。平日でも沢山の人があふれかえっていた。新刊や古い本を飾っていた。特集を組んでいるのは読書をしない若者に対する関心を高めるためだというがスマホで見れる今、立ち寄るのは理由ありきに思えた。警告を出しているのは見た目だけで思いのほかそうでもないのだろうと思ってしまう。パソコンの前である程度キーワードを打ち込んでみると簡単に出てきた。プライバシーなどと騒いでいたことなの無駄なように思えた。

 被害者は白石栄一。加害者は瀬川浩平。被害者である白石はナイフで刺されたのだ。目撃者によると2人はいい争いをしていたと。内容は瀬川が両親を殺した証拠がそろっているが、警察には見向きもされないのならこの手でさばいてやるといっていたという。ナイフをもっていたのは白石であるだろうが、逆上して殺されたのだ。いろんなサイトを見ていると何処で育ったとか顔写真も出されていた。被害者も加害者も関係ないといわんばかりの行動だ。どうせ海外サイトをつないでいるから鼬ごっこにもなりえないのだろう。警察はいったい何のための組織なのだろうと思った。新聞が警察をたたいているところだけを抜き取ったサイトさえあった。謝罪をしている写真が上がっていたが、悪びれない態度が見えた。どんな極悪人の悪びれない態度を嫌がったがこっちのほうがよほど質が悪い。救いようのない悪に染まっていた。週刊誌の喜んで書いただろう。正義の面をした悪魔などと。処罰もあまりなかった。お粗末な結末だ。

「そりゃ誰だって怒るさ。処分なしのまるで悪くないといっているようでな。」

柴田は他人事のように思えなかった。大切な子供を失ったのに手を合わせず、内部で打ち消したように思えた。ことの発端を知っているのかとまじまじと思った。誤認逮捕でホシを野放しにしているのに悪くないといっているのだ。警察嫌いも納得の行動なのだ。それを立花や菊岡が覚えているような強烈なものだったら・・・。時間はいくら経ても思いは変わらない。捜査一課の課長が頭を下げるのも悪くないように思った。彼はと思うだろうが、羽田は知っている人からの謝罪はいらない。むしろ、何もしなかった、知らないふりを押し通そうとしている幹部に嫌気がさしているのだろう。

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