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泣いた烏  作者: 実嵐
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仮説をつぶす

子供たちの笑い声と柴田を見つけた子が騒がしかった。それに気が付いた女性が門まで来た。

「あら、柴田君じゃない。久しぶりね。最初に来たのは信之が連れてきたときよね。・・・こんなところで立ち話をしてもいけないから話があるだろうけど、遊んでくれない?」

「わかりました。」

スーツを着てこなくてよかったと心底思った。羽田の言葉を聞いた子供は大騒ぎ。カジュアルだろうと何も言わないだろうから。聞いて駆け付けた子供が足にしがみついていた。わけあって来たのだろうから。虐待とかが世の中に気づかれることなく知られることなく起きてしまっている。それは誰かが見つけないとダメなのだ。冷たい態度が横行するだけでぬくもりがない。心の傷はすぐに消えない。作るのは簡単だ。癒すのは難しいのだ。遊び疲れた子供たちの声はぬくもりがあった。施設に上がった。

「ごめんなさいね。無理なお願いを引き受けてくれて・・・。この頃、2人ともあまり来なくなってね。子供たちには変な欲求不満をもって生きても困るから。」

お茶を出しながら言った。子供を愛するから故なのだろうと心の底から思った。柴田が勝手に関心していた。

「来たのはどうせ信之と達樹のことでしょ。多く語らないのは理由があるのよ。わかって頂戴。それか何か事件を起こしたっていうの?」

「全て確信がないんです。だから、仮設を立てているに過ぎないんです。」

切ない気持ちを感じながら親心を含んでいる康江に強く言えない。身寄りがなく生き方も探り探りなのだろうから。

「その仮説は誰にとっていいの?警察としての貴方?それとも手柄をもらえる組織として?」

柴田は問いかけにわからなくなり小さく首を振った。過去に警察が此処の施設の子供を殺しているのだ。誤認逮捕をして真犯人を見抜いた子が真犯人に殺されたのだ。時効が効いて求刑を受けた。もっと早く動いてれば起こらなかった事件の1つだ。施設の中を見ても仏壇は隠されているのだ。見捨てられた子は世間からも警察から見捨てるのだろうか。

「あの子は気づいていたの。警察に何度も駆け寄った。けど、証拠がないとごねて再捜査をしなかった。終わっているとかは勝手に終わらせていることにどうして気づかないの。自分勝手な組織はいらないわ。くだらないことに税金を使うの。事件が起こらないと動かないって傲慢だと思わない?それとも地位が重要なの?政治家なら守るけど、庶民は勝手に死んでおけとか思ってない?」


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