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泣いた烏  作者: 実嵐
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消えないもの

柴田は何処かうやむやな気持ちを抱えたまま、警視庁という図体だけがでかい建物に行っても解決しないだろうと思って捜査をしている体で行くことにした。テレビではずさんなことをしているにも関わらず反省の色を見せないやつや証拠が挙がっているのに嘘八百といっている人だっている。変わらない答弁に飽きているというか無駄な時間を費やして金を奪い取ってのうのうと肥やしを増やす計画を立てている詐欺師に見えてならない。ろくに評価を得ようとしていない。無駄骨をしていると思うのなら架空請求なんて嘘を堂々とする奴、公職選挙法に黒に近いグレーゾーンにわざわざ乗っているのにも意図があるのだろうか。一応一流の大学の肩書と世間を呼んだふりと偉そうな口調を得ればなれるじゃないか。ちやほやされて図に乗って天狗になっているのは政治家だろう。歩道をいくら歩いても減るものじゃない。それは税金を払っているんじゃない。多額の金を使って施設を作って金を使い終わらそうという計画のないものだ。

「何時か終わるものだ。こんな国は誰かに喝を入れてもらわないとダメなんだろうな。」

ほそぼそといっても答える人はいないのだ。冷たい雨に濡れているほうが温かい世の中なのだろうか。無論、持論を講じても誰も聞いてはくれないのだ。空を見上げていると誰かの肩をぶつけた。遠くで怒鳴り声をあげているはやりのファッションに染まっている若者だった。無視をするのが妥当だと思った。何かの警告を聞こえぬふりで聞き漏らして被害が与えられるのはいったい誰なのだろうか。いくら上から目線を言っても共感の余地はないだろう。傲慢になり驕りを誇りと勘違いしているのだとしたら笑いものだ。

「遺憾とか言葉はただの空虚だ。言えばいいという終わりの言葉なのだ。」

「独り言を言うのはやめておいたほうがいいですよ。今、不審者とかで遠ざけられる人間になりますから。」

声をかけて忠告をしてくれたおばさんに一礼をした。もやもやとした気持ちのまま、ついたのはラポールだった。立花と菊岡が育った養護施設だ。立花が言っていたことがあった。しゃれた名前をしているのは飾りに過ぎないって。笑っていた。冷たい笑顔と隠れた決意を見せていた。外ではただ無邪気に子供が無垢に感じた。歩いているのだろうから。悪く思っているのは嫌味なのだろうか。子供たちから少し遠くで見ている女の人を見つめた。自分の孫を見ているように眺めているのだった。

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