くたびれたもの
「あいつはどうしてる?」
「捜査一課から外れたのは知っているだろう。歓迎会をしてたんだ。どうせあいつが仕切ったのなら来ただろうからね。未解決事件捜査課にいるんだ。過去の事件を興味が赴くままにいるんだ。」
酒の力を借りて言っているのはわかっているだろう。菊岡は何も言わなくても大概のことを察する。身寄りがなくて生きていかないとならないとはこういうことなのだろう。職を探し見つけるしかない。相談は信頼をする人間を探すのを見つけないといけないのだ。養護施設になれるかどうかは別のことだろうから。世の中、理不尽だなんてほざいているのは政治家なのだろうか。あきれているのにも考えなくてもわかることだろうから。
「柴田はいいな。ある程度あるんだろう。今は二課にいるとしても上に上がれることは決まっているんだろうから。」
「そんなことないよ。藤田製薬会社を上げたのは立花だ。あいつは仲間の裏切りには厳しいからな。ぼろが出たら目をつけるから。最初に気づいたのは受付の人を見抜いたんだ。そこから壊せた。無論、此処からが正念場なんだ。だから、決まってはいない。」
「それに信之は出世に時間をかけるのは嫌うだろうな。事件にかける時間より明らかに多い奴はいらないんだろうから。」
柴田は菊岡を見ていることができなくなり、カウンターの端にあるボトルを見た。ワインのボトルが丁寧に置かれていた。
「あれは立花が飲むのか?」
「そうだ。安いワインを飲むのは定番だ。俺も助かっているんだ。沢山入れたとしてもね。それも含めてわかっているんだと思うよ。」
彼のグラスは空っぽになっていた。そして裏から新たなワインを引き出してきた。いい雰囲気のところで高級ワインといいたいが基本サラリーマンを扱っていることもあってそう高いものを扱っていないのだ。財布が堅い人間がそうやすやすと手を出す品だと思わないのだ。コルクを引き出すのだ。オープナーの手際の良さはホテルの補助をしていたのだろう。裏方に徹するとはこういうことなのだろうから。
「うまいな。このワインは。」
「日本のワインは高いんだけど、外国産のワインを安いんだ。輸入をするってそんなものだろうから。どれがうまいかなんてわからないんだ。そう詳しくないやつは・・・。」
飲み干したグラスはくたびれた感情を見せたのだ。菊岡は何を見せているのだろうか。声を聞かせているのだろうか。柴田を信じられることができるのだろうから。




