表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泣いた烏  作者: 実嵐
60/110

念願

「浅間さんってどうして此処に来たんですか?」

「捜査一課が大量に未解決事件を作り上げては新しい事件に向かう。それを嫌がった上が作ったんだ。俺は捜査一課で邪魔ものとして扱われていたからそのことを利用して入れられたにすぎない。」

冷めた言葉に熱を注いでも温まることはない。課長という位をもらってなだめてもらったのだ。来る部下は次々と来てはやめていく。希望を持たない部下ばかりで絶望に染まったのだ。

「知ってるか?被疑者になった人間は誰からも救われないんだ。利益のためにうわべだけ行う弁護士、立場の悪くなる内容があったらなかったことにする検察、流し読みしかしない裁判官。警察もその中に含まれている。見込み違いのことをしても偉そうにしているんだもんな。」

コーヒーを飲んでいた。一息つくために飲んだのとは意味が違うように思えた。テレビでは垂れ流すように騒いでいる。同情のふりをしている隣人。誰を信用して生きているのだろうか。根本が腐った人間が作り上げたのが正義という権力とかでものを言わせるものなのかもしれない。でっち上げであるのを悪びれない姿は居直り強盗にもなり切れていない。間違いに頭を下げることができない。同じことを繰り返すことを勝手に了承を得ていると思っているのだろうか。

「それだからこそ此処にいたいんです。」

「ダメだ。決まったことだ。俺は決定権はないに等しいからな。立花君は嫌がるだろうな。だから、誰も聞き入れないのが正しい答えだよ。」

立花の机には青柳の事件の資料が散らかっていた。調べものが得意であるからといってそれだけをさせることはなかった。聞き込みの基本をさせてくれた。歩いて探すことが見えてくるのだといっていた。

「俺は捜査一課にいても回ってくる事件にかけずり回ればいいんですか?」

「そうだ。上の決断は絶対という世界に行くんだ。此処で少しの免疫をつけておかないと他のところに飛ばされるぞ。上に逆らえるのは立花君だけという噂が広がっているようだけどね。」

窓は雨が降った後の結露が張り付いていた。曇って遠くを見えない。かすんでいるように・・・。それに逆らったらならないという元を知らない。利益のために動いている。

「立花さんは身内に偉い人がいるんですか?国会議員や代議士とか。」

「いないよ。身内なんて。彼は養護施設で育っている。此処までくるのに頼って来たのは自分だけだよ。そこらの警察とわけが違う。自分で開拓している分評価も高いそうだよ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ