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泣いた烏  作者: 実嵐
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よき心

「大概の事件は無関係とかって決めつけているのもわからなくなる原因なんだよ。少なからず頭の片隅に置くくらい簡単なはずなのに・・・。そんなのだからくだらない迷惑をかける冤罪とかを生むんだよ。警察は好んでしていると思っているんだ。」

立花の声は怒りに満ちていた。酒に酔った勢いだろうが、たまには構わない。上がまじまじと聞いているとも思わない。身内の話でも聞こうだなんて考えるやからがいないのは事実。都合の悪い話として聞かないのだから色眼鏡がかかりぱなしであるのだ。

「今でも嫌いか?」

「まぁな。圧力にあっさり負けてそそくさと負け戦をして帰ることもな。正すのが仕事と口では言うのに正すよりも乱そうが構わない。正し、条件付きといっているみたいで嫌なんだよ。身内だからとか言って言い訳を積み立てるよりもっと守るものがあるだろうがよ。そこらで小さな事件に巻き込まれそうになっているのを止めるのが本当の行動だ。なんだよ。事件が起きないと動かないって。全てが遅いんだよ。初動捜査の初期の初期を徹底していれば止められる事件はあるはずだろう。」

立花は割りばしをテーブルにたたきつけた。たたきつけられた割りばしが無残に思えてならなかった。彼はなかったことにして新しい割りばしを割って、食べだした。

「そういえば、お前は何を考えているんだ?」

「何がだ?俺は事件のことしか考えられないんだよ。遺族は無視される。大切にするのは出世のための軽い運動だ。野望を抱えているのはホシじゃないよ。警視庁とかにいる奴のほうがよっぽどだ。」

犯人は居直り強盗のようになるような人間と証拠があっても否定し続けることもある。冤罪を生むことを許可する警察。それを正当化する検察。紙に書いてある文字だけを垂れ流しにして読んだ気になる裁判官。うわべの履歴と同じなのかもしれない。警察は最悪、都合の悪い証拠は消したり、作り上げたりしている時点で工作と同じ感覚なのだろう。早く事件を終わりにしたいのは単なる欲望に過ぎない。それも救いようもない。本当の犯人ならいいが、冤罪であった人を脅すんだから正義の面をした詐欺師と同じだ。ペテン師は素知らぬ顔をするのと同じ顔をするだろう。それを簡単に正義とうたっていいのだろうか。犯人に良心の呵責を問う前にキチンと調べてから自身の良心の呵責を問うのが全うな手順だろう。組織の波にのまれて人並みになったと勘違いして浮かれ切ってしまうのだろう。


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