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泣いた烏  作者: 実嵐
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変えの色

未解決事件捜査課にいたとしても時間が過ぎていくのを感じた。浅間の顔をみじめに映って見えた。2人は物寂しいかもしれないが、また浅間が探すのだろう。多少の傷ものも喜んで受け入れる最後の砦であるのだから。

「立花君、かえっても構わないよ。広瀬君を止めるわけじゃない。小さな宴を上げることにしているのだ。君が行きたいところがあるという主張は後で聞くとするよ。」

浅間は広瀬の後任を探すよりもお疲れ会みたいな金を出すのだろう。数時間で出てきた展開は好んで嫌われるほうに転ぶのがいいのだ。組織というのは何時か切れる糸を紡いでいるのだ。切れてあきれるほどの結びなおしは切れ目を強調することになるのだ。その人の細さを感じることなく引っ張り上げることしかない。

「そうですね。この身勝手に放って行かれた事件を捜査するほうが俺の性に合うのはわかってますからね。広瀬さんは此処にいるのは嫌がっていたんです。方がつけれたと思えばいいじゃないですか。」

鞄に荷物を入れながら言った。組織についていくのは強いからとか守れそうもない誓いを誓うことなど震えがするほど嫌いだ。

「簡単に人の代役を探すのは不可能なのだよ。わからないのか。」

「組織から離れた人間は弱くなるのだとしたら同じように育てているところはあるものですよ。全て一緒は無謀な願いであるんですから。」

俺の口から離れて輝くのは冷たい雨や雪が降り積もっているのだ。目の前は白く染まって出ることを拒んでいるのだ。

「浅間さん、此処は絶望の場所として警視庁では有名なんですよ。けど、俺にはしないといけないことが目の前に積まれているんです。それだけは一切拒むことはしないんですよ。」

此処に最初に来た時よりも少し重くなった鞄を持った。それをいかにも軽く見せるかということをしているようだ。これもどこかで生まれた性なのかもしれない。憎むにもさげすむにもあたる場所がなかった。孤独を居場所としていたとしたことに対する代償なのだろうと立ち去るときに苦笑いをした。

「そういう君を手放すつもりはないよ。いくら冷たくてもいずれ温かい場所が呼んでいる可能性があるからね。」

「そんな空虚な場所はいらないですよ。何時か此処は誰かの居場所になることくらいは俺でも予言できますよ。ただいい成果が上がればの遠い話ですがね・・・。」

扉には光を反射することはない。俺がとても好む場所になるとは思わなかった。一つの過程を過ごしているに過ぎないのだと言いかけて警視庁からも出た。

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